1話 ページ2
『んん…疲れた』
専門学校を卒業し、看護師として働き始めて早2年。人を助ける仕事に就きたいと思い、看護師を目指し、夢を掴んだが、やっぱり肉体労働はキツい。
夜勤ということもあり、時計を見ると、もう夜中の1時を過ぎていた。
もう終わりだし、早く着替えよう。なんてったって今日は私にとって大切な日だからだ。
毎年この日は桜を見ると決めている。
確か警視庁の近くに、いい桜の見所があった気がする。家に帰る前に、夜桜を見よう。
私はその記憶を頼りに、警視庁方面に向かった。そして警視庁警察学校の桜が目に止まった。
ここにも桜があるんだ……
しかし、そこには桜には似合わない、顔に傷を負った男の人が居た。
私は無意識に男の人の元へ駆け寄っていた。
『大丈夫ですか…!?』
「あ!?こんくらい余裕だっつーの!関係者以外はこの敷地に入るな!」
そう言って男性は立ち去ろうとする。それを私は必死に止めた。
『そんな事言ってる場合じゃありません…!ちょっと待ってください!』
私はバックからいつも持ち歩いている救急セットを出し、手当てをしようとすると
「何しやがる!」
『何って手当てに決まってるじゃないですか!これでも私看護師なんで、すぐ終わらせるので手当てさせてください!』
彼を真っ直ぐ見てお願いすると、仕方ないとでも言いそうな顔をしつつも、手当てさせてくれた。
「いってぇな!ほんとに看護師か!?」
『消毒なんだから染みて当然です!じっとしないと、もっと手荒な手当てしますよ!?』
そういうと大人しくなった。なんだか犬みたい…というか、こうしてみると結構顔立ち整ってるなぁ。
天パがかった黒髪、少し焼けた肌、掘りも深いし…どこかで見た事あるような…
そんな事を考えながら、パパっと手当てを終わらせる。
『これで大丈夫です。何で怪我したか知りませんけど、気をつけて下さいね。』
「ただ殴り合いしてただけだ。」
その言葉を聞いた瞬間、あの頃の出来事がフラッシュバックする。
'' 若菜は1人で帰れ!''
'' でもお父さんが…! ''
'' 父さんは大丈夫だから… ''
『あっ……』
「あ?」
『いえ…何でもないです。勝手に敷地入っちゃってすみません。もう出ますね。』
私は急いで帰って、ベッドにダイブした。また思い出しちゃった…
『お母さん…今年も桜綺麗だったよ……』
そう呟き、私は眠りについた。
718人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りーこ(プロフ) - まみこさん» ありがとうございます!昨日のwildpolicestoryで動いてる松田刑事が観れて幸せでした!これからもグラサンの方もよろしくお願いします! (2022年10月30日 18時) (レス) id: d49ab6f07e (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - ハロ嫁再上映ということで、久しぶりに見返してみてまた泣きました!!本当に何度読んでも飽きない神作品です〜!!グラサン分解魔は奥さんに甘いも頑張ってください!!応援してます! (2022年10月29日 16時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - たぴぴ#呪術廻戦さん» ありがとうございます!陣平くんは曲がったこと大嫌いなので、一生離しませんよ!新作出来ましたので、そちらの方もぜひ読んで行ってください! (2022年7月27日 20時) (レス) id: d49ab6f07e (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - まみこさん» ありがとうございます!今も2人で子育て奮闘しながら、幸せな生活送ってます!新作の方も出来たので、ぜひ読んで行ってください! (2022年7月27日 20時) (レス) id: d49ab6f07e (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - うっわぁー!!更新お疲れ様です!&ハッピーエンドで完結ありがとうございます!!最終話で涙腺崩壊です…次の作品も頑張ってください、応援しています!! (2022年7月27日 15時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りーこ | 作成日時:2022年6月25日 2時