彼女を振り向かせたい。【松田陣平】

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side 松田陣平




陣平「 いつまで悩んでんだ？ 」




かれこれ5分以上、Aは目の前にある2着の服でずっと悩んでいる




普通、こういうのって “ どっちがいいと思う？ ” って聞いて、男側が返答に困るやつのはずなのに、Aはそれすらも聞いてこない




まぁ、俺も返答に困るから聞かれねぇのは助かるが、何も言われないのも困る




『 だって……どっちも捨てがたいんだもん 』




ここで、“ こっちの方がいいんじゃね？” って言ったら、地雷を踏みそうだから、何も言わないことにした




それ以前に、色以外に何が違うのか俺にはサッパリ分からなかった




『 やっぱりここはシンプルに白………いや、でも紫も良いんだよなー…… 』




陣平「 こっちの赤もその2つと似てね？A赤好きだし 」




『 赤も好きだけど、今は紫の方が好きというか……… 』




陣平「 あー何かやけに最近紫のもんばっかだよな 」





『 うん、推しのメンカラなんだよね 』




と言って、推しの話をし始めた




しくった……前に、今度の休みそいつのことは忘れろと言ったのは俺なのに、自らそいつの話を引き出してしまった




でも………推しの話をしている時のAはキラキラしてんだよな




『 って……ごめん。せっかくのデートなのに推しの話ばっかしちゃって 』




陣平「 …………いや別に 」




『 じゃあ、この白買ってくるね 』

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