彼氏が乙女心を知らないのだが【松田陣平】

｀．20 ページ21

．



side 松田陣平




研二「 それで、今回はどんな喧嘩したの？ 」




会って開口一番、ハギはそんな事を聞いてくる




陣平「 なんでお前が知ってんだよ 」




研二「 さっきAちゃんが、既読スルーするの見ちゃったんだ〜 」




なんてヘラヘラと言う。相変わらずコイツは能天気だな……こっちは真剣に悩んでるってのに




研二「 とりあえず、一服しながら聞かせてよ 」
．


．



研二「 なるほどね。仲良くし過ぎないでほしい、か… 」




陣平「 俺はそんな気微塵もねぇってのに。つーか、まずあいつが俺に惚れてるなんて確証もねぇし。」




研二「 いや、それは間違いないと思うよ。ちょっとしか見てないけど、陣平ちゃんに惚れてるのは俺でも分かる。ずっと一緒に仕事してきたAちゃんなら尚更 」




陣平「 ンなこと急に言われても、俺はどうすりゃあいいんだよ。一緒に仕事しなきゃいけねぇってのに 」




研二「 陣平ちゃんはあの子と仲良くする気はないんだよね？ 」




陣平「 あたりめぇだろ 」




研二「 なら、とりあえず今まで通り仕事して、Aちゃんが言って欲しい言葉を考えないとね 」




陣平「 ンなこと分かってんだよ…… 」




研二「 でも、Aちゃんが欲してる言葉が分かんないってこと？ 」



陣平「 ………あぁ 」




4年も一緒に居たってのに、Aが何を望んでいるのか分からない自分に苛立ってくる




研二「 そりゃあ分からなくて当然だよ。だって、陣平ちゃんとAちゃん全然違うタイプだもん。」




ごもっとも過ぎて何も言えねぇ……




研二「 陣平ちゃんも、Aちゃんと同じ気持ちになったら分かるんじゃない？ 」




Aと同じ気持ち、か……




研二「 険しい顔。陣平ちゃんって頭切れるタイプなのに、Aちゃんの事になるとポンコツになるよね。 」




陣平「 うるせぇよ…… 」

＊．21→←＊．19

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す