彼氏が乙女心を知らないのだが【松田陣平】

＊．01 ページ2

．



断言しよう、私の彼氏は乙女心とやらを1ミリも知らない



今、それを皆に証明してみようと思う




『 ねぇ松田、今日の私どこか違うと思わない？ 』




書類に目を通している私の彼氏、松田陣平にそう聞いてみる。彼は顔を上げて、パッと私の方を見る。




陣平「 あ？ンだよ急に 」




『 ヒントは、首から上 』



陣平「 あー寝不足でニキビでも出来たか。いて"っ 」




そんな回答をする彼の腹を殴った。ほらね、乙女心なんて1ミリも、いや1ミクロンも知らないのだ。




『 正解は、ビューラーをやってまつ毛が上がってるでした。 』




陣平「 ンなもん分かんねぇよ 」




『 美和子ちゃんは気づいてくれたもん。せっかく朝頑張ったのに…松田、私の事見てないんだね… 』




陣平「 あ"？見てるわ 」




『 じゃあ気づかないのよ！ 』




なんてやりとりをする。こんなこと私達にとっては日常茶飯事である。




美和子「 まぁまぁ2人共、そこら辺にしといたら？Aちゃん、これ目暮警部に頼まれたんだけど、手伝ってくれる？ 」




『 分かった 』




美和子ちゃんが仲裁に入ってくれて、私達はまたそれぞれの仕事に戻った。




美和子「 相変わらずね 」




『 何が？ 』




美和子「 松田くんとのこと。本当喧嘩するほど仲が良いって感じね。羨ましい。 」




『羨ましいの！？』




美和子「 だって、仲良くないと喧嘩なんてしないでしょ？やっぱり7年も付き合ってると、話さなくても相手の思ってることとか分かるの？ 」




『 分かんないよ！だってあの人全然顔に出さないんだもん！ 』




美和子「 そうかしら？Aちゃんと話してる時楽しそうだけど。」




『えーそう？』




美和子「 見てて、Aちゃんのこと好きなんだなぁって分かるもの 」




『 全然分からない… 』

｀．02→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す