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10__ ページ12

「ぇ……」


本来ならこんなこと現実的に有り得ない。しかし目の前の玉はふわりと浮いていた。




「なっ…」




男は焦ったようにもう1発撃った。その玉も俺に届く前にふわりと止まる。




「なんで、玉なんか浮くんだよ……」



男は焦りと恐怖が混ざっているのか、また俺に向け引き金を引こうとした。
しかしそれも出来なくなった。



「グッァ……!」



銃弾が急に方向を変え男の肩と脚を貫いたのだ。
肩を貫いたことによりAちゃんは離されて下に落ちた。






「Aちゃん!!!」





助けるなら今しかない。





駆け寄って手を引こうとしたその時ふらりとAちゃんが立ち上がった。
雰囲気がいつもと違うことに直ぐに気がついた。いつものあの柔らかい雰囲気じゃない。周りの空気が冷たく感じる。





「Aちゃん…?」





男が銃に手を伸ばしている。
その手は銃に届くことはなく男自体が宙へと浮いた。





Aちゃんは顔を上げ男を見据える。
そこにはいつもの眠そうな瞳では無く光のない瞳があった。






「な、なんだ…よ…バケモノ…!」

「…煩いなぁ」





冷たい声で言い放つ。
男は抵抗しようと藻掻くが掴むものは何も無い。
だって、俺の目にも何も写ってないのだから。





「あ"っ…ぐっ………」





何も無いはずなのに男は首に手を当て必死に何かを取ろうとしていた。
首が勝手に締まっているようにみえる。




もしかして、これは全部Aちゃんの仕業なのか?
ここには俺たち3人しかいない。俺は何も出来ないしあの男が1人であんな芝居をするわけが無い。だとしたら、Aちゃんの力…?




いや、そんなこと考えてる場合じゃあない。
このままではAちゃんが人殺しになってしまう。





「ダメだよッAちゃん!」




Aちゃんの前に出て抱き締める。
なるべくぎゅっと、強く。



「大丈夫だよ。俺は何もされてない、生きてるよ」

「…」

「人、殺しちゃダメだよ」

「…」

「だから戻ってきて」

「…」


「Aちゃん」





「…ぁ、けんじ、くん」





いつものふわりとした声が聞こえ覗き込むと、元の綺麗なあの瞳に戻っていた。
それと同時に後ろからドサッという音が聞こえた。

11→←9__萩原研二side



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深月(プロフ) - いえいえ!大変楽しく拝読しています!体調に気をつけて更新頑張ってください! (2022年7月1日 20時) (レス) @page15 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
クリア(プロフ) - 深月さん» 寝ぼけて書いた仇が…笑教えていただきありがとうございます。 (2022年7月1日 14時) (レス) id: bc53eb09bb (このIDを非表示/違反報告)
クリア(プロフ) - ヘケッさん» ありがとうございます。時間ある時にしか更新できないんですけど待っていてくれるとありがたいです〜(--;) (2022年7月1日 14時) (レス) id: bc53eb09bb (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - 最終更新ページの13について、「しーっ」という英語のスペルが違うかもしれません。「Shhh」になるかと思います! (2022年7月1日 12時) (レス) @page15 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
ヘケッ - とても面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください (2022年6月30日 19時) (レス) id: 1e3facbc7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=1e1b3933a367cd96fb01157f0c8b555a...  
作成日時:2022年6月15日 19時

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