65 ページ15
『・・・』
廉「・・・」
ブランコに座ってみたものの
あれから5分ほど経過しただろうか
全く話始めようとしない永瀬君
なんだかこの空気が妙に気持ち悪くて、海人のために買ったアイスを永瀬君に渡した
『あげる』
廉「ありがとう」
永瀬君はアイスを受け取ると、早速袋を開けてアイスを取り出す
しかし、時間が経ちすぎて溶けてしまったらしくコーティングされていたチョコと中身のバニラが同時に永瀬君の手に零れる
廉「お前これめっちゃ溶けてるやん」
『ほんとだ』
手に落ちたアイスを焦りながら舐める永瀬君がなんだか面白くて笑ってしまう
『待って、おしぼりあった』
コンビニの袋に入っていたおしぼりを永瀬君に渡すと「渡すの遅いねん」と文句を言いながら受け取る
『はい…じゃあなんでそんなに暗いのか教えてもらおうか』
一通り手を拭けてまたあの嫌な空気になるのが嫌だと思い、このままのテンションでストレートに聞いてみると
永瀬君はアイスを食べるのをやめて下を向く
そしてゆっくりと口を開き出した
廉「俺さ…もう毎日しんどすぎて逃げ出してきてん……」
『しんどいって？』
廉「毎日勉強勉強の日々
夏休みに入ったら朝から夕方まで家庭教師つけられて、夜やっと解放されたと思ったら父さんに礼儀作法めっちゃ注意されて怒られるし……俺だけなんでこんな辛い事せんとあかんねん」
『でもお姉さんいたよね？
お姉さんにもそんな感じなの？』
廉「親は俺が会社継ぐもんやと思ってるから姉ちゃんの事はほったらかし
友達と夜遅く帰ってきてもなんも言われへんし、勉強だって口ごたえされとらへん…
姉ちゃんだけずるいわ、俺はやりたい事全部ダメって言われんのに」
『…て事は海もその理由でいけないの？』
何となく聞いた質問に永瀬君は喋らなくなった
その行動に私は永瀬君が言いたい事を悟った
海……本当は行きたいんだ
『永瀬君ずっとここにいるの？』
廉「いや………もう帰るわ」
『そっか…じゃあ送るよ』
私はブランコに座っている永瀬君の腕を引っ張って重たい足を無理やり歩かせる
廉「え…俺の家そっちじゃないねんけど」
後ろで私に向かって話しかける永瀬君を無視して
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1537人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
TK - 私もこんな恋に憧れます。これを読んで、思わず涙です。 (2020年5月30日 11時) (
レス) id: 7d8539b274 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - ももかさん» ベランダ恋伝いも読んでくださったんですね！！ありがとうございます！更新頑張りますね (2020年4月30日 15時) (レス) id: 69ce0864de (このIDを非表示/違反報告)
チャンサキ(プロフ) - 待ってましたー！！（まだ読んでない）笑、あとでゆーっくり読みます！更新ありがとうございます（＾∇＾） (2020年4月30日 12時) (レス) id: 9fdd9e92a3 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 凄くいい話です！ベランダ恋伝いも読ませて頂き思わず涙です。更新楽しみにしています！ (2020年4月28日 4時) (レス) id: f029cec96f (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - ぴらのさん» ご指摘ありがとうございます。確認不足でしたすみません。更新頑張ります！！ (2020年4月11日 22時) (レス) id: 69ce0864de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミミ
| 作成日時：2020年3月31日 22時
