違った道の隻眼女6【坂田銀時】

第276話 ページ23

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頬に添えられた手は優しかった





殴られることしかされなかったその手が






左頬を優しく撫でてくれている








貴｢.......｣






笠をとり目をそらす




見えていないのに私を捉える瞳が少しこわい







神威｢.......はい｣







さっき巻いてくれた包帯を今度は解いた兎が後ろに下がった








｢.......大きくなったな｣






貴｢.......｣






｢攘夷戦争で沢山のものを失ったと聞いた


この左目も含め.......




大変だっただろ.......｣







貴｢.......｣







｢今更父親面するな、か.......？



許して貰おうなんて思っていないよ


でも伝えたいことはある｣







貴｢.......｣








｢まず.......｡すまなかったね｡

君の自由を、志を縛り小さなものに閉じ込めて.......



あの頃の私は武士道を見失っていた

お前の方が立派な侍だった｣






貴｢.......｣







なんとも言えない気持ちに怯え



手探りで神威を探す





こんなこの人はみたことがない





こんな穏やかな表情はみたことがない








｢ひどいことしてすまなかった


お前をわかってやれなくてすまなかった｣








わからない.......






この人が分からない.......







こわい、私の知らないこの人がこわい






神威っ.......








神威｢...................大丈夫｡｣

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