違った道の隻眼女6【坂田銀時】

第265話 ページ11

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万斉｢.....ここでござる｣








貴｢.......｣







歯ぎしりの振動が体中に響く








神威｢A.......｣







貴｢っ.......｣







憎しみでどうにかなりそうだ.......




早くこの憎悪が歓喜に変わればいい









万斉｢一度落ち着け｡｣







神威｢息.......つらそうだよ｣







背中をさする神威の手に目を瞑り




寄り添ってくれる万斉の体温に自我を取り戻す






貴｢.......｡


行くぞ｣







優しい二人を振り払い



重い扉を開け笠を深く被る







定々｢随分と遅かったではないか｡待ちわびたぞ



さあ早くここを開けろ｡私を外へ連れ出せ｣






その面と声に杖を握る手がミシッと音を立てる








万斉｢A、｣








定々｢茂々残念だったな


お前に私を裁くことはできぬ｡


誰にも天にも私を裁くことなどできはしなっ.......





あれ...｣









先生すまない





アンタに貰ったこの刀が汚れちまう






だがこれもアンタのためだ.......








貴｢.......その通りだ



たとえ将軍であろうと天であろうと


誰にもお前は裁かせねェ....｡




お前を裁くのはこの私だ｣







定々｢きっ、貴様はっ.......！！｣








貴｢思い出す必要はねェよ


いずれ天導衆.......ふざけた烏共....いや、






世界の首ひっさげて地獄へ行くからよォ





先生によろしくな｣








一太刀でなんて甘いことはしない






まだ急所は狙ってやらねェ








あの人の、私たちの苦しみはこんなもんじゃない









神威｢A｡｣






万斉｢もう死んでるでござるよ｣








それでもこの血はひかない







何度かき消そうとこの目は映らない









無残な仇を目の前にしたって







優越も気休めにもならない








ただ








虚しいだけで









確信が近づくだけで









本当の仇は、憎い相手は









お前だけなんだと









だがこの景色が離れず








『全部終わったら.......』








まだ夢を見ている甘い私に









愛する男を斬るなどできるはずがなく









また今日も








貴｢神威.............｣








目を逸らして夢を見る








貴｢.............｣









こんな時









あなただったら








あなたがいたら








教えてください先生.......









私は.......








私達は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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