違った道の隻眼女6【坂田銀時】

第270話 ページ17

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貴｢.............｣








深く被っていた笠をゆっくりあげる







神威｢.......｣




万斉｢.......｣








それまでうるさかった兎と万斉は服が擦れる音はするものの


口を開こうとはしない








それもそのはず








貴｢悪逆無道の徒.......｡


国家転覆を目論む反乱分子を育成する悪の巣｡




んなもん残るわけねェだろ｣







そこは黒く荒む焼け野原で



2人が想像していた塾なんてなァありはしない





ただ唯一残ってるのは燃えない石と



奇跡的か必然的かたった1本だけ残った松の木｡








貴｢懐かしいか｣







そう問えば[10年.....]と低い声が帰ってくる








神威｢これって.......｣






貴｢.......｣









兎がしゃがみこみ、何かを見つめる







万斉｢石碑か｣






神威｢俺には読めない｣






万斉｢.......た...、れ、..............拙者にもわからぬ


いつの文字だ｣







小さな碑石に刻まれたのは







貴｢吉田松陽の墓｣







万斉｢読めるのか｣







貴｢.......あァ｡｣








今思えば確かに先生は不死者なのかもしれない








貴｢この文字は先生と私、銀時、ヅラしかしらない｣







数百年前の文字｡





なぜ先生は知っているのかあの頃は気にもとめなかったが





何百年も前から生きているあの人なら知っていてもおかしくない








神威｢なんでわざわざその文字を？｣







貴｢幕府に見つからないためだ｡｣







神威｢.......そっか｡


じゃあこっちがAの.......ってまた何か書いてある｣






貴｢あ？｣







いや、あの頃は先生の碑石以外何も無かったはず




少なくとも私が銀時を突き放すまでは.......








貴｢.......｣






万斉｢どうした｣






神威｢読んでよ｣







貴｢.............くだらねェ｣







神威｢え？｣







貴｢行くぞ｣







神威｢A？え？ちょっと待って｣

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