違った道の隻眼女4【坂田銀時】

第180話 ページ35

・







来島「A様、」





貴「大丈夫だ」







袖から抜いた腕を腹部で重ねる





さらしに滲んだ血が少し鬱陶しい








武市「追っ手が来てますねぇ」




来島「ここは私達が遮るっス」






貴「あァ」






武市達とも別れ船内に戻ろうと思ったが




どうも鳥肌が止まらない



血も騒いでる







貴「.......やっぱバカなんだな....」







通路を抜けた先の甲板に腰掛け上を見上げる





岡田とやり合う銀時.......






・






「ぐはっ」






上に夢中で気づかなかったが





私を前にして刀を収めたヅラの足元に鬼兵隊のやつが横たわっていた






みねうちか.......






桂「.......」





貴「ヅラァ…あれ見ろ。銀時が来てる


紅桜相手に刀一本でやろうってつもりらしいよ


相変わらずバカだな

生身で戦艦とやり合うようなもんさね」







桂「.......心做しかその眼は優しいものに見える」





貴「.......心做しだな


私はあいつを殺したくてうずうずしてんだ」






桂「さっき.......その拳は震えていたな。


銀時の存在に血が騒いだか」






貴「そうだろうな」








ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ.......






瓦礫がここまで届く程に激しい戦闘




やっぱあいつもまだ劣っていない







桂「もはや人の動きではないな

紅桜の伝達司令について行けず身体が悲鳴をあげている



あの男.......死ぬぞ」






貴「いつからここにいたかは知らねェが


よく調べたもんだ」






桂「お前は知っていたはずだ

紅桜を使えばどのようなことになるか



仲間だろ。なんとも思わんのか」






貴「ありゃあいつが自ら望んだことだ


あれで死んだとしても本望だろ」







桂「...................



.......変わったな｡仲間思いだったお前が


死んだ仲間のために一人で敵地に乗り込んだお前が」







貴「.....いい.......にしろ....」






桂「全てを失った分かったはずだ

護りきれず失っていったものがお前にどんな影響を及ぼしたか




なのにまた同じ悲劇をくりか＿＿＿」







貴「いい加減にしろっつってんだよ！！」







桂「っ、」






貴「お前に私の何が分かんだ....


お前に鬼兵隊の何が分かる....」







桂「お前のことは知っている。


俺とお前は一番付き合いが長い｡

それこそ鬼兵隊よりも銀時よりも｡」

第181話→←第179話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す