五条家の守り人 弐

第49話 今日ぐらい〜悟side〜 ページ6

悟side

悟「A！！」

主「悟くん…」

悟「！！」

こんなに元気のない顔をしているAを初めて見た

硝子の言う通り、見た目の怪我は大したことなさそうだが、精神的にかなりきている様子

悟「A＿＿＿＿」

主「ごめんなさい」

悟「え…？」

もう一度声をかけたら突然謝られた

なんで？

なんでAが謝るの？

主「私がもっと強ければ、虎杖くんは死ななかった…私が…私がもっと強ければ…！！」

悟「A、落ち着い…」

主「何が1級よ！！」

悟「！」

主「大切な仲間すら守れない私なんか…！！」

こんなに自分を責めるなんて…

悟「っ…A！！」

僕はAの腕を掴んだ

主「っ…離し…！」

それを嫌がるA

…ごめん


ーギュウ


悟「…Aのせいじゃない」

暴れるAを落ち着かせるために抱きしめる

細い身体…

力を入れたら壊れそうだ

主「でも…！」

悟「Aは何も悪くない…むしろ頑張った。その怪我を見たらわかる」

主「っ…こんな怪我に比べたら…虎杖くんの方が痛かった！！私よりもずっと…！！」

悟「A」

主「！」

悟「これ以上自分を責めないで？じゃないと、君が壊れちゃうよ？」

主「だって…」


ービシッ


主「いたっ！？」

悟「だってやでもじゃない。1人で背負い込まないで…Aは僕の大事な…」

僕がAのことを好きって言っていいのか？

Aにとって僕は…

悟「…大事な従兄妹なんだから」

主「悟くん…」

悟「たまには泣いてもいいんじゃない？いつも我慢してるでしょ」

主「…」


ームギュッ


主「むぅ？！」

頬を引っ張られると思わなかったのか情けない声を出すA

…かわいい(笑)

主「いひゃい…！」

悟「あはは(笑)変な顔！」

主「う、うるひゃい！！//」

悟「…Aは我慢しすぎなんだよ。僕の守り人だから、分家の当主だからって強がらなくていい…君はまだ15の少女だ」

これはずっと前から思っていること

Aは優しいからね

主「っ…」

悟「今ぐらい…ね？」

主「…今日ぐらい泣いてもいい？」

悟「うん。僕がちゃんと受け止めてあげるから！」

主「うん…」

どうすればいいのか悩んでいるのかな？

悟「ほら」

ようやく心が決まったのか僕に抱きついてきた

そして＿＿＿＿






主「う…うわああああ！！(泣)」






今までどれほど我慢してきたのだろう

こんなに大泣きするのは初めてだ



僕はAが落ち着くまでそっと抱きしめた＿＿＿＿

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