深澤と不仲です(ビジネスじゃないよ)

カコのおはなし ページ13

・・








「 お邪魔します〜〜 」


深澤「 毎回それ言うよねA」


「 お邪魔してる身だからね 」


深澤「 かあいい、(笑)」




今日の辰くんはいつもとちょっとちがう、、？

いつもは玄関に入った瞬間に抱きしめられて腰引かれてキスされて、玄関でいつも力抜けて歩けなくなる私を優しくリビングまで運んでくれるのに、今日はキスさえしなかった。





深澤「 あれ、リビング来ないの？ 」


「 ………辰くん、」


深澤「 ん？ 」


「 ちゅー、したい 」




辰くんの服の裾を握ってそう言うと一瞬揺れた辰くんの瞳。
………あまりにも長い時間そのまんまだったからもう
私からしちゃおうかななんて思って顔を近づけると分かりやすく背けられる。




深澤「 先、ご飯ね 」


「 あ、うん、」


深澤「 何作ろっか 」





………初めてだな、辰くんに拒否されたの。

胸の奥がじんじんいってて凄い痛くて、




キッチンで野菜を切ってる辰くんに後ろから抱きついた。



深澤「 んーどうした？ 」


「 いつもしてるじゃん料理中 」


深澤「 たまにしかしないよ？ 」


「 今日がその抱きつきたくなるたまにの日なの 」


深澤「 そうなんだ、(笑)」




笑ってはいるけどそれだけで終わり。
辰くん今日、私なにかしちゃった？





深澤「 映画見よっか 」


「 うん 」


深澤「 はい、3つ借りてきたから好きなの選んでな？ 」




お風呂もご飯も終わって、後はもう映画を見たら帰る時間かなとか泊まって言ったらダメかなとか考えてると借りたらしい映画3本渡されてそのまま辰くんはソファを立った。




「 …たつくん？ 」


深澤「 ん？ 」


「 どこ行ったの？ 」


深澤「 ふは、なんで泣きそうなってんの(笑)
ココア、いれにいってたの 」


「 あ、ココア 」




今日の私はおかしい。
いつもよりも辰くんの行動ひとつひとつで悩まされてる。




映画中、いわゆるちょっとえっちなシーンがあって、いつもなら辰くんから手を絡めてくれるんだけど今日はビクともしない辰くん。

何処か寂しくなって私から手を重ねると握り返してはくれなくて、



「 辰くん、」


深澤「 今映画中(笑)」


「 やだ、今日の辰くん 」




映画を見てるとかそんなの関係なくて、辰くんをひょいと押し倒して上に跨った。
…………何この体制、はじめてだ。




深澤「 A？ 退いて？ 」


「 やだ、」


深澤「 どした？ 」



なんで、なんで辰くんはそんな余裕そうなの？







・・

カコのおはなし→←カコのおはなし side F

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す