IF YOU -深澤くんが好きすぎて困る！-

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心臓がどくどく言っててうるさくて、でも目の前にある深澤くんの顔はいつもと変わんないから意識してるのは私だけなんだな、って悲しくなる






「 ………深澤くん、離して 」

深澤「 なんでよ、離したら如月向こうむくじゃん 」

「 向かないから、」






渋々顔から離れていった手に少し寂しくなってわたし自身もよく意味分からないな。






深澤「 ねえ昨日誰送ったの？ 」

「 え？ 」

深澤「 おれ乗せてってって言ったのに違うやつ乗せたでしょ 」

「 …だってそれは、深澤くんが、」

深澤「 おれが？ 」





キスしたから、って言いたいけど、言いたいけど深澤くんは全く気にしてない様子だしわたしばっかりやられてるし、






「 ……なにもない。」

「 単純にしょうたくんとあべちゃんの家が近いから二人乗せただけ 」

深澤「 おれんちも近い 」

「 ちかくない 」

深澤「 なべの家よりちかいじゃん 」





なんて一歩も下がらない深澤くんは少し面倒臭い

助けを求めたいのに後ろにいるひかるくんはまだ少し納得してないような顔だし斜めのしょうたくんは爆睡してるし。

そんな寝るからひかるくんに怪しまれるんだよ

昨日もめちゃくちゃ寝てたでしょ、







深澤「 ほんとに、今日なんでそんなおれの顔見て話してくれねぇの？ 」

「 …………なんでって、」

深澤「 いつもおれ相手にめちゃくちゃ話しかけてくれるじゃん 」





って、好きな人とキスして意識しない方がおかしくない？


わたし感覚バグってんの？

絶対バグってんの深澤くんの方でしょ 。





「 …………きす、」

深澤「 ん？ 」

「 深澤くんにとってのキスと、わたしにとってのキスは重みが全くちがう、の！ 」

深澤「 ………キスって、え、あ、もしかしておれ昨日最後の方 」

「 え、まって覚えてないの？ 」





そんなことある？

わたしがずっとしょうたくんの家に帰ってからも今も悩んでいることを深澤くん本人は覚えてないの？






深澤「 いや、覚えてる、覚えてるから 」

「 うそだよ、そんなの 」

深澤「 如月、」

「 ………なかったことにしよ？ 」

深澤「 え？」

「 深澤くんとわたしは何も無かったの、キスもしてない、ぜんぶわたしの夢の中でした、がいい 」

深澤「 でも、」




もうそこで会話終了！

もう寝る！でよかったのに、






渡辺「 全部夢なんだったら昨日俺が無理やり唇擦らせたの意味ねぇじゃん(笑)」

「 ちょ、」

深澤「 え？ 」





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