脆くて甘くて苦くて【IV】 (ページ6)

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それ、さっきの、あの光景見たせいで全く眠りに付けなかったバス期間

岩本「 A、着いたぞ」

「 …………ん、はぁい、」

岩本「はやくおっき、」

「いわもとさん、まって、」

岩本「呂律回ってないから(笑) 」

俺以外にも寝起きのそのぐにゃぐにゃさを見せてるのも腹立つし、何より相手照だし、

浅野「深澤さん？降りましょ？」

深澤「ごめん、浅野さん先行っててほしい」

浅野「あ、はい、分かりました」

後ろの席にはAを抱き抱えようとしてる照。

深澤「ねえ照、舘さん呼んでたよ今」

岩本「え、舘さん？待ってAどうしよ」

深澤「俺連れていくわ、」

岩本「ふっか行ける？(笑)
A寝起きちょー悪いよ(笑) 」

なんか腹たった。

俺が腹立っていい立場でも何でもなけど、でも、なんか俺よりもこいつのこと知ってるように話す照に、

深澤「だーじょうぶだって。わら」
「俺、こいつの寝起き何回も体験してるし」

ほんの少し、ほんとにちょっとだけマウントとって、あえて照の前でAの脇と脇の間に腕を通して抱き抱えた。

深澤「 A、起きて。
酔い止めきついの飲んだら中々起きられなくなるって前で言ってただろ？もう皆降りてるからおっき、」

照の目の前でそう言うと少し顔を顰めて舘さんの所まで走っていった照。

ごめんね、照

照にまでここまで敵対視するつもりは無かったんだけど。

Aと俺の荷物を持って、Aを抱っこして歩こうとすると目の前にはAの唇。

……さっき、照がキスしてた唇。

深澤「 …………これは、お前が悪いからな、」

ゆっくり一回だけ、近づけようとすると微かに動いた唇は

「 …いわもと、さん？」

いわもとさん、ね。
照と違うけどね俺は。

慌てて近づけようとした顔を離してAを椅子に座らせて肩を揺さぶる。

深澤「おい、もう起きろ」

深澤「 A」

「 ……………ん、あ、………ごめん、」

パチッと目を開けてこの状況を少し理解したのか目の前にいたのが俺だったからか分からないけど慌てて起きて俺から離れようとするA。

深澤「 …………先行ってる。もう皆降りてるから」

「 …ん、」

深澤「お前の大好きな岩本さんももう降りてるよ」

最後にこんなことを言っちゃう俺も随分とガキだわ

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