脆くて甘くて苦くて【IV】 (ページ5)

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そしてそのままAとは何も変化のないまま、もう今日は社内旅行当日

行きみちの貸切バスの席、俺は勝手になべと座るつもりだったんだけどなべは真昼ちゃん誘えたって言ってたから一人で、まあ、一人でもいいんだけどね？

峯岸「あ、深澤さん来ました～」

深澤「ん？おはよ、峯岸ちゃん」
「え、浅野ちゃんどうしたの？」

俺の座ろうとしている席の前で恥ずかしそうに立っている浅野ちゃん

……待って、これもしかして、

浅野「深澤さん！じゃんけんの結果私が隣になったんです！」

浅野ちゃんが隣にいて、座席には深澤くん専用席とかかかれていて、周りの女の子たちの反応を見る限りほんとにジャンケンで決めたんだろけど俺の人権ゼロすぎね？

しぶしぶ席に着いて寝る時後ろ倒していいか聞こうと振り向くと、

岩本「酔い止め飲んだ？」

「バッチシです！」

岩本「よし、吐くなよ」

「吐く前提で話さないでください」

後ろはAと照で

どういう経緯で2人が隣になったんかは知らんこっちゃないけど、

深澤「 …あのさ、後ろ、眠たくなったら倒してもいい？」

Aの目を見て聞いても、

「うん」

返ってくるのは2文字だけ。

隣の浅野ちゃんは、何話そっかって一人ワクワクしてるし。
後ろの会話は嫌でも聞こえてくるし。

……出だしから不運すぎんだけど、この旅行

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浅野「深澤さん欠伸してる(笑) 」

深澤「ん～ちょっと昨日ちゃんと寝れてねーの。わら」

浅野「眠気飛んでいく話しましょうか？」

…いや、そういう事じゃなくてさ、

深澤「ほんとにごめん、ちょっとだけ寝てていい？」

決死の覚悟で聞くと予想通り残念そうな顔をしながらも

浅野「 …そうですね、寝ましょうか、」

って。

その言葉を聞いて後ろ一旦下げていいかみよう思って振り向くと、

深澤「 ………………は？」

もう既に爆睡のAに、照が唇重ねてる瞬間で、肝心なとこは照の身体のせいで見えないけど絶対チューしてる、は？

そりゃ照とこいつの席は1番後ろだし誰にも見つからない、とは思うけど、

照は俺が見てるなんか気づきもせず平然な顔で自分のシートに体制を戻して、

寝込み襲うのはさすがの照でもずるいんじゃね？なんて声に出して止める勇気もない俺が言えないんだけどさ

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