脆くて甘くて苦くて【IV】 (ページ4)

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「さっき資料頼んだんだけどまだ戻ってないらしくて」

………A？
Aなんかここにはいな……

「い、岩本さん！こっちです、、」

声が聞こえた方を見るとロッカーの影でAが尻もちついてて、………じゃあ、さっきの音は

…ていうか、涙溜めてんじゃん、そりゃ怖いよな一人の時にブレーカー落ちて倉庫の中って、

思わずAの元へ行こうとした身体は

深澤「南さん？」

莉子さんによって呆気なく止められる。

岩本「何こけてんだよ(笑) 」

んで、結局俺や莉子さんよりも遠い照が誰よりも早くAの手を取り助けに行って

「すみません、資料探してたら奥の方まで行ってて」

岩本「ばか(笑) 」
「まあ、無事でよかったよかった」

Aの腕を引き上げ立たせては頭を数回ポンポンと撫でる照

いや、俺らまだいんの忘れてんの？お前

「 ………ありがとうございます、…では私はここで、」

岩本「だーめ、俺も一緒だって」

「でも岩本さん仕事あるって」

岩本「そうだけど、一人で倉庫行かせる方が間違えてたし」

っていつまでお前Aの頭撫でてんの？

ていうかあいつもあいつで照れくさそうな顔して、……あーもう、しっかりしろよ俺

岩本「ふっかと南は？もう出る？」

深澤「あー、これ置いたら出るつもりだけど、」

岩本「そっか、OK 」
「んじゃ、俺らは先戻ろっか」

「せっかくのお昼休みの時間すみません、」

岩本「昼休みにも限らず資料探してきてくれたAは謝んなくていいんだよ」

あ、また頭ポンポン。

深澤「南さん？俺らもこれ置いてパパっと戻りましょ？」

南「 ……ん、そうしよっか」

何か言いたげな莉子さんの気持ちは分かんねーけどきっと相談事か何かがあるんだろうな、なんて特に気にもせずにドアから出ていこうとするAを見ていると

……目が合ったら慌てて逸らされたし、なんか照と一緒に帰っていった(勿論)し、

深澤「あ～～、もう、」

余裕無さすぎ、俺。

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