脆くて甘くて苦くて【IV】 (ページ3)

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南「そっちのは第二倉庫で私持ってる方が第三倉庫」

深澤「え、一人でこの量持って2個の倉庫回るつもりだったんすか？」

南「課長に頼まれたんだもん、」

そう言いながら第二倉庫にはすぐに付いて二人で奥に入っていく

莉子さん、相変わらず細いけど舘さんと別れてからちゃんと飯食えてんのかな、

南「ねえ、深澤くん」

深澤「はい？」

南「見すぎ」

深澤「 …え？あー、すみません。わら」
「ていうか細くないですか？食べてます？飯」

ダンボールを置き、莉子さんの腕を掴むと

南「それ、セクハラだよ？」

小さく笑いながら言う莉子さんはあの時のまんまで、俺が心配することも無いかなって少し安心した。

深澤「じゃあ残りは第二ですか？」
「あ、半分貸してください」

南「第二倉庫すぐ向かいだから大丈「こういう時は男に甘えてくださいよ、先輩？」

南「その言い方深澤くんっぽくないみたい(笑)」

莉子さんの手から半ば強引に4分の3の資料を貰い扉を出るともう既に空いている第三倉庫

……先約？

まあそりゃ誰でも来るか、ここなら

深澤「南さん？これどっち？」

南「あー、それはあっちの奥だね」

深澤「うっす、」

一人で資料を持ち奥まで行こうとすると突然肩を叩かれる

南「 ……辰哉くん、」

深澤「 …え？」

莉子さんの口からは俺の名前が出ていて、なんで？

莉子さんとそういう関係を辞めてからしかも会社でこんな呼び方された事なんて無いのに

深澤「え、どうしたの？何かあった？」

南「今日、家来ない？」

深澤「 ……ん？相談事？」

南「ちが、……その、辰哉くんと、」

莉子さんのその言葉の続きを聞く前にガタンっ、と奥の方で音がして、……あ、誰かいたんだっけ。

その瞬間パチッと電気が消えた

……ブレーカー落ちた？

南「きゃっ、辰哉くん、」

深澤「あ、うん、俺ここいるよ？」

大丈夫大丈夫、と資料を一度置いて莉子さんの頭を暗闇の中撫でていると

岩本「 A？」

倉庫のドアが開き、外から顔を出したそれはもう聞き馴染みのある声は俺のよく知ってる名前を呼んだ

次の瞬間、パチッと元通りになった電気

岩本「あれ、ふっかたち大丈夫？」

深澤「あ、え、大丈夫。どうしたの？」

岩本「いや、A来てない？」

……………は？

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