脆くて甘くて苦くて【IV】 (ページ1)

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渡辺「お前いつまで顔面死んでんの？」

深澤「 …そんな死んでる？」

渡辺「いや、もうやべぇよほんとに(爆笑)」

深澤「笑いすぎなべ、」

昼休憩、少し前までは4人で食べたりもしていたのに最近はなべとだったり、適当に誘ってくれる女の子とだったり。

今日はなべの日。

部署も階数も違う俺のところに昼休憩前に急に現れて¨飯¨とだけ言われて連れてこられた

深澤「この前話しかけたんだけどめちゃくちゃ拒否られた」

渡辺「だってあいつはふっかとあの人の関係切れてること知らねぇじゃん」

深澤「 ……今更伝える手段ないし、」

Aは出会った時からいつだって結局俺の為に色々我慢してくれてて、今回離れることになってんのもAに縛られて俺が莉子さんと上手くいかなくなるのが嫌だから、って

………はぁ、

渡辺「とんでもなくいい女逃してんじゃん(笑)」

深澤「 …だから笑い事じゃないの～～～～」

渡辺「ほんともう1ヶ月くらい経ってんのにふっかが元気ねぇの面白いわ」

深澤「ねえなべもしかして俺の事嫌い？」

渡辺「ふはっ、もうやめてその顔(爆笑)」

こんなに目の前で爆笑してるなべだって俺らのこと考えて動いてくれてんのも、俺を元気付ける為にそう言ってんのもわかってんだけど、やっぱり今は

深澤「会いたい」

渡辺「それ伝えればいいじゃん」

深澤「伝えるってどうやんだよ、連絡先もなくて合鍵も返しちゃってて会社にはずっと隣に照が番犬みたいに守ってんだもん」

渡辺「ふっか、それは無理だな」
「どんまい」

俺だって自分がこんなにめんどくさい奴なんて思ってなかったけど、Aが絡むとどうもこうなってしまう。

ねえA、ごめんね？

渡辺「この状態のお前に言うの気が引けるけどさ」

深澤「なに、」

渡辺「あいつ、最近照とすげー仲良いけどいいの？」

深澤「 …え？言いも何も上司と部下なんだから当たり前じゃねーの？」

渡辺「いや、それはそうだけど」
「 Aと昼飯食べる時とかによく照の話をすんだよ、楽しそうに」

考えてもなかった、Aと照がもしこの先そういう関係になったら、なんて

深澤「 ……照とか俺勝ち目ねぇし、」

渡辺「だから、お前もいつまでもクヨクヨしてんなよって話」

もーらいっ、と俺の唐揚げをひとつ頬張りながら言うなべの目は至って真剣だった

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