人生ってこんなもん

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You.


マリウスくんを勝利くんに任せて病院にきた


マリウスくんも心配だったけど

こっちもこっちですっごく心配だから



重い扉を開く



ちゃんと眠れてるだろうか、と

心配していたが当の本人はけろっとしてる



でも何か隠してるような。



『健人くん、おはよう』




健 おはよ



声はいつものように元気があるわけでもなく


芯をなくしたみたいで




まるで古びたおもちゃのロボットのよう



『今日は天気がいいよね、お散歩でも行く？』


入院した当初は外出は禁止されていた


けど最近は発作の予兆が見えなければという条件付きで多少の外出は許されたのだ


もちろん2棟の庭や院内だけだけど


それでも発作が多い彼は滅多に出来ない外出はいつも嬉しそうに笑って準備するのだ



『どうする？』


健 いかない、…いきたくない



でも今日は違った


『どこか苦しいとこある？深呼吸しよ』



健 …ない、大丈夫だから


『じゃあ、辛いことは？隠してることはない？』



健 …、


『話しちゃった方が楽だよ？』




健 やだ


『何が嫌？』


健 もう、一人はいやだよ、




　

『勝利くんやみんながいるでしょ？私も。』


健 俺、迷惑かけてるじゃん、


『頼ることって大事なんだよ？だれでも一人ではできないことばかりなんだから、』



健 でも、俺人殺しだよ？
　 みんな俺を嫌うに決まってる
　


『健人くんは人殺しじゃないよ、お父さんとお母さんが守ってくれた大事な命だよ？』



健 俺、地獄に落ちるべきだよ、

　


"今でも怖いんだ救急車のあの音が"



"外に出ると楽しそうに歩いてる家族がいる"



"俺は一人だなって"






健人くん、気づいて


過去は変えられないけど





未来は健人くん次第でどこまでも変わるんだってこと




誰にでも弱さがあって



みんなそれを誰かと補って生きてる




でも、気づくのはいつでもいい


ゆっくりでいい


だから今だけは全部受け止めさせてよ



健人くんをゆっくり抱き締めた




『暖かい？』



健 …ｸﾞｽｯｸﾞｽｯ、はぁっ、






大丈夫。



信じていればきっと願いは叶うから



だから前を向いて？

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