人生ってこんなもん

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F.

朝


俺は朝に弱い

いつも弟の勝利に起こされる



でもたまに



勝 起きて！風磨にぃちゃん


『んぅ、兄貴ぃ〜ねむいまだ』



あいつのことを呼んでしまう


俺はあいつが気に入らない



でも昔は違った


昔は俺らを起こすのもあいつで

料理も洗濯も掃除も全部


あいつがやってた


それもあいつがまだ小学2年生の頃


俺は1年生で

勝利は年中、聡は年少


マリウスなんかまだ3歳とかだった



あいつは。兄貴は。


小さいからだで全部やってくれてた


1年生の俺は宿題というのになれてなくて兄貴はまだ自分のも終わってないのに手伝ってくれた

勝利や聡が喧嘩するときも注意してくれたり喧嘩をとめたりした

マリウスが夜中泣いても兄貴はすぐ起きて寝かしてやったりマリウスが一人ではまだできないことも全部手伝ってくれた



みんな兄貴が大好きだった


でもある日突然そんな平和な日常は兄貴によって崩された


兄貴が中学2年生の時


兄貴が家に帰ってきた時だった


『兄貴おかえり！ここわかんなくて教えてくんね？』


勝 健人にぃちゃーん聡が筆箱とったぁｸﾞｽｯ

聡 マリウスからにっげろー！

マ ぎゃああー聡ちゃんおにぃ〜！




健 はぁ。それくらい自分でやって。
　 聡！筆箱返しなさい！
　 マリウス！


マ ぎゃああー！


健 うるせぇって、、
　 うるせぇっていってんだよ！


『…兄貴？』


健 お前らいい加減独り立ちしろよ
　



そんなことがあってから

兄貴は俺たちを避けるようになった


料理もつくってくれるけど

前みたいに一緒に食べるなんてしなくなったし


兄貴は変わってしまった



あるときは身体中に傷をつけて帰ってきて


あるときは知らない人をつれてきて




兄貴のことがわかんなくなった




兄貴が何をしてるかなんか知らない


夜中出ていくときもある





一番俺らを苦しめたのは


勝利の彼女に手を出したとき。





兄貴なんかじゃない





あんなやつ、知らない

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