十二夜 ページ13
伊勢姫が泣き止んだあとも、涙の理由を明かすことはなかった
聞いても、
逢いたくて思わずきてしまった、気持ちが募って涙が溢れた
の一点張りだった。
あからさまに取り乱している伊勢姫を目の前に、
謙信は静かに伊勢姫を抱きすくめることしかできなかった。
何もできない己の未熟さが
心底憎らしかった。
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朝
暖かな日差しが部屋に差し込んだ。
一揆鎮圧にはうってつけの日本晴れの日だった。
「もう、出発なさるのですか？」
「あぁ、どこかの誰かのせいで後ろ髪引かれる想いだがな」
謙信なりの精一杯の冗談に、伊勢姫が暖かく微笑む
昨夜流した涙の跡をほほに残しながら。
「逢いたいあまりの涙だと言ったでしょう？
大丈夫、
もう貴方に会えたから。」
痛々しく充血させた目が柔らかく弧を描く。
(それだけではない癖に)
そう追求しようとしたが、言葉を飲み込んだ
「伊勢、寂しい思いも苦しい思いもたくさんさせてきた。
この戦が終われば
正式な夫婦(めおと)になろう。
そうすれば、お前は好きな時に俺に逢えて
人の渦に揉まれ、苦しみ、俺の知らない所で涙することもないのだろう？」
「…っ。謙信……」
御殿での肩身の狭い苦しみも、寂しさも悲しさも、涙でさえ
言葉にしなくても、
この人は分かってくれていた。
その事がどうしても嬉しくて、また涙が出そうになるのを堪える。
「立場上、息苦しいこともある。しかしそれがお前にとってなんだと言うのだ。
そのような稚拙な世間の評価に耳を傾けるな。
俺の寵愛を受けるのだから、堂々とこれからも俺の隣を歩け、いいな？」
「っ………はい！喜んで！
謙信、貴方とならどんな事も乗り越えられる。」
そう、上野の父の事さえも……… そう思えた
手と手を取り合い、静かに口づけを交わす。
名残惜しいような、初めて交わす口づけのように感じた。
「行ってらっしゃいませ、どうか、お気をつけて」
「あぁ、1週間もすれば戻る。
それと伊勢、
俺の前以外で泣くことは許さん、
約束だ」
もちろん と言うように満面の笑みを浮かべ
伊勢姫は戦へ向かう謙信の姿を見送った。
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ねね(プロフ) - haruveringさん» イケレボ書くならまずこの2人！って決めてたのがヨナとルカだったんです！関係性が良いですよね(*^^*)頑張ります！ありがとうございます！ (2017年5月27日 12時) (
レス) id: c4278e59fb (このIDを非表示/違反報告)
haruvering(プロフ) - 新作ありがとうございます！なんですかあの私得な設定(*´ー｀*)とても幸せです！体調にお気をつけになって更新頑張ってください！ (2017年5月26日 23時) (レス) id: 064598f1ab (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - ねねさん» いえいえ！最近オリジナルフラグを二次創作なのに外してない作品が多いので、できたら声かけお願いします(^o^)他のユーザーさんもやってますし(^o^) (2017年5月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - 雨ノ宮心音さん» ご足労かけます（ ; ; ） (2017年5月25日 22時) (レス) id: c4278e59fb (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 二次創作なのでオリジナルフラグを外した方がいいですよ！違反報告されます。 (2017年5月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねね | 作成日時：2017年3月8日 20時
