おはよう ページ4
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__________ 全部壊してくれ
その言葉が脳内で再生されるのと同時に飛び上がる勢いでAは目を覚ました。辺りを見渡すと見慣れた天井、リコリスの鞄などから先程の言葉は夢だと認識する。時計を見ると6:30分で針が止まっていてAは眠気と戦いながら「喫茶リコリコ」に向かう準備をしていた。お気に入りのベスパ 946で店に着き、ベルを鳴らしながら扉を開ける。
「おはよーう」
朝の挨拶を言い欠伸をするとおはようと返してくる店員とおはよー!!と元気な挨拶を交わす者、おはようございますと礼儀正しく挨拶する者とその光景は周りから見たら普通なのかもしれない。だが死線をくぐり抜けて来たAからすればこの光景は正しく幸せというものに近いだろう。そう思いに浸っていると先生ことミカが口を開いた。
「A朝からなんだが、お前にDAから話があるそうだ」
そう言われた途端Aはゲッとした表情でミカを見た。Aはリコリスの最高責任者だがDA及び上層部を嫌っている。正確には上層部の方針だが。急に連絡なんてらしくないとでも表情でミカを再度見ると、
「急ぎでらしい。ミズキでも連れて行ってこい」
「.......分かったよ」
そう言いミズキと一緒にDAの本部へと向かった。高速に乗り助手席に座りながら外を眺めているとミズキが言葉を放った。
「あんたも大変ねーほんとに」
「男にしか目が無いどっかの誰かさんとは違うんでね」
少し挑発をしたら頭にチョップを食らいA頭を摩る。チラッと運転席でブツブツ言いながら運転するミズキを横目で見ると時々本当に心配している表情をするからAはこのチョップはミズキなりの優しさなんだなとポジティブな発想で過ごしている。そうしているうちに本部へ着き、指紋確認や証明書などを済ませ、今日呼び出した張本人である、DAの司令官楠木の元へ向かった。
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作者名:累 | 作成日時:2022年11月3日 20時