呪胎戴天 4 ページ12
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「お前は大勢の人間を助け正しい死に導くことに拘ってるな。だが自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」
「じゃあなんで俺は助けたんだよ！」
「！」
Aは今にも泣き出しそうだった。昔の自分を見ているみたいで。そんな様子にイラッときた釘崎は声を上げた。
「いい加減にしろ！アンタ達なにやってんのよ！ばっっっかじゃないの！？少しは時と場合をわきまえたらどうな＿＿＿」
ﾎﾞﾁｬ
「野薔薇ちゃん、？」
「釘、崎？」
言葉が上手く紡いでいないと思い振り返れば床から出てきた黒い何かに釘崎は引き摺り込まれていた。伏黒とAは冷や汗をかいていた。＿＿＿＿呪いの気配は玉犬が教えてくれる。その言葉を思い出したAは玉犬の居た方に目を向けると壁に無理やり押し込まれていて頭だけになり血を流している玉犬を目撃した。伏黒もつられて玉犬に目を向ける。
「虎杖！A！逃げるぞ！釘崎を捜すのはそれ...から...だ」
「っ！」
まるでこの世が静止した瞬間だった。隣にいる。特級が。しかも二体。その周りには一級呪霊が沢山居る。そんな威圧感に負けそうになるもAは鞄から銃を取り出し呪力をこめ特級に撃った。だがそんなのは効かず呪霊はAに打撃を打ち込もうとしていた。だがその攻撃はAには届かなかった。何故なら虎杖が咄嗟にAを庇いなんとか振り上げた手を切断されてしまったからだ。
「悠仁君、？」
切断されては手はゴロンと床に転がり落ち、血がボタボタと流れている。Aは息を荒くし虎杖の手に目を向けている。
「大丈夫だA。お前が動いてくれたおかげで独りじゃないって分からせてくれた。ありがとな。」
虎杖はAを責めるのではなく感謝の気持ちを伝えた。Aは通常の呼吸になり涙を堪えながらうんと頷いた。
「ここまで近づかれたらもう逃げらんねぇ。俺が死んだらお前も死ぬんだろ。それが嫌なら協力しろよ宿儺。」
「断る。」
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作者名：累 | 作成日時：2022年11月3日 20時
