頑張り屋さんのあなたへ (ページ21)

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再び歩こうとすると、足に何かが当たる。

重｢定期……？｣

そこにはケースに入った定期券が落ちていた。

重｢誰のやろ……って、Aのやん！｣

届けに行こうと思ったけど、あんな感じになってたからな……

重｢こうなったら朝イチに家突撃したろ。笑｣

家に帰ると、夕食の準備を始める。
実家の近くのマンションを借り、現在は一人暮らしをしている。

夕飯食べても、お風呂入っても、布団に入っても頭にチラつくあの時のAの表情。

重｢あ～！もう何であいつ隠すねん！｣

と頭を掻きながらLINEのトーク画面を開く。

『いつものAと様子が違う気したんやけど、何か気に障ること言ってたらごめんな。』

と文字を打つ。

重｢いつものって、6年前の記憶が最後やのに変か…｣

なんてうじうじ考えて。
俺、Aの事好きなんかよ？

重｢いや、それは無い。笑｣

とりあえず打った文字を1度消した。

思えば、昔から謎に包まれていたA。
放課後や休日に遊ぶだけの関係やっただけで、家族とかプライベートとかあんま知らんなぁ…

とか思い返してたら、送信音がした。

重｢え、待って待って？何で？｣

どうやらスタンプを誤送信したみたいで。

重｢変なスタンプやなくて良かった…笑｣

…

ピコン♪

通知音で目が覚めた。
そういや通知オフにせんまま寝てもうたんや。

時刻は深夜2時前。通知はAからだった。

重｢いつまで起きてんねん……｣

という言葉をそのまま送ると、秒で返信が返ってくる。

『そっちこそ』って笑

重｢起こされたんやけどなぁ…笑｣

そのまままた眠りの世界へ。