遭逢 ページ10
ジウンちゃんのクラス、3組の前を通りかかると、腕を組んで扉に寄り掛かってるジウンちゃんに足を踏まれて「ちょっといい？」と呼び止められた。
「、どうしたの？」
「なんか最近ジスと仲良くなったみたいだね？」
「……なってないよ。」
「とぼけないでくんない？さっきもジスと仲良さそうに話してるの見たし。手なんか握っちゃって？」
「……っ。」
ぎゅっと下唇を噛むと、じんわりと鉄の味が口内に染みた。それと同時に、こめかみの辺りにズキンと衝撃が走った。
「都合が悪くなるとだんまり？あの時と一緒だね。」
「………はっ。」
「はぁ？なに鼻で笑って、」
「いっ、つ……。」
体がぶるっと震えて背筋に悪寒が走り、頭はずきずきと痛む。しまいには視界がぐらりと揺れ、そのまま身体が前方に傾いた。
意識を手放す手前に、心配そうな、泣きそうなジウンちゃんの顔が見えた。そういえば私熱があったんだ。熱のせいで見間違えたのかもしれない。
「…。」
目が覚めるとと真っ白な天井が目に入り、つん、と塩素の匂いが私の鼻腔をくすぐった。
まだズキズキと痛む頭を抑えながら起き上がり、ここが保健室だと理解する。
「目覚めた？」
「わっ！えっ、誰？」
声のする方を向けば、普段は養護教諭の先生が座ってる椅子に、男子生徒がかったるそうに腰掛け此方を見ていた。
あの席って生徒が座って良いんだっけ？
「あんたをここまで連れてきた人に向かって失礼だな。」
「え！？ぅ、あ、…ごめんなさい……。」
「あ？別に怒ってねえよ。お前ジウンの双子の妹だろ？」
ジウンちゃんの知り合いと知り、少し身体が強張った。
そういえばジウンちゃんは？辺りを見渡しても彼女の姿は見えない。
「えっと、…はい。」
「うわ、すげー似てんな。」
その男子生徒はそう言いながらジロジロと私の顔を凝視する。パッと目が合い、照れ臭くなってすぐに目を逸らす。
ジッと真剣に私の顔を見つめる彼の顔が思ったより近くにあったせいか、少し心臓がドキドキする。
「名前なんていうの？」
「A…。」
「ふうん。」
ふうんって…。自分から名前聞たくせに。
まぁ、向こうからしたら私のことなんてジウンちゃんの妹、程度の認識で然程興味もないんだろうけど。
「俺はジョンハン。じゃ、またなA。」
ジョンハンくんは、何か面白いものでも見つけたかのように楽しげに笑うと、軽やかな足取りで保健室から出て行った。
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理衣(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ (2022年6月20日 23時) (
レス) @page32 id: 82f31babb9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - 続き待ってます！とても楽しみにしてますので更新頑張ってください！ (2022年4月19日 4時) (レス) @page31 id: 3063287e0d (このIDを非表示/違反報告)
uyu(プロフ) - からのポテチさん» コメントありがとうございます！嬉しいです！！頑張ります！ (2019年8月3日 20時) (レス) id: 20c193e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
からのポテチ - うわぁぁぁ、夢主ちゃん悲しいぐらいに優しいよぅ。(泣)ジウンちゃんもなんかありそうやし、、、 めっちゃ面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 0時) (レス) id: c13b41d6ee (このIDを非表示/違反報告)
uyu(プロフ) - いくみんさん» お待たせしてしまってすみません！一応ハッピーエンドで終わる予定にしてるので安心してください！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: 20c193e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：uyu | 作成日時：2018年3月3日 19時
