慕情 ページ7
あれからジスくんから返信が来ることはなかったが、朝起きてトークを確認すれば既読はついていた。
既読無視か、と残念に思った自分に少しだけ吃驚した。
「ねぇ、ジスく…さんってどんな人なの？」
授業中、ペン回しをしながらつまらなそうにしていた隣の席のセリちゃんに聞いてみると、彼女は手を止め、なにやら目を輝かせて「え！」と大きな声で反応する。
「もしかして、聞いた！？」
「？？…なにを？」
「なにって！Aのお姉ちゃんとジスくんが付き合ってるかどうかだよー！」
「あっ！えーと、違うみたい。ただの友達だって。」
そう答えればセリちゃんは「なんだー」と口を尖らせ、再び手に持っていたボールペンでクルクルとペン回しをしながら答える。
「ジスくんはねー、すごい優しくて、しかも頭も良いんだよ！それに加えてあの顔でしょ？だからモテモテなんだって！」
「あ〜…確かにかっこいいね。」
「でしょでしよ？でもね、どんな美人に告白されてもOKしないんだって〜。」
「え？なんで？」
「うーん、好きな人でもいるんじゃない？」
タイミング良く、昨日の宿題を解説中の英語の先生に「そこうるさいぞ」と口頭で軽く注意をされ、私達の会話は中断された。
「きゃ！」
購買に飲み物を買いに行った帰り、教室近くの廊下で突然背中をぽんっと叩かれた。
不意打ちの出来事に身体は大袈裟に反応してしまい、持っていたペットボトルを落としてしまった。
「わっ大丈夫！？ごめんね！」
「え？あ！ジスくん！いや、びっくりしただけだから！こっちこそごめんね。」
ジスくんは慌てて私の前に回り込むと私が落としたペットボトルを拾い、深く腰を曲げて謝る。
飲み物くらいで大袈裟な、とも思ったけど、彼はそんな事ですらきちんと謝る義理堅い人なのだろう。
「はい、どうぞ。」
片手でぎゅっと軽く私の手を広げる様に掴み、手にペットボトルを握らせる。
私の手がジスくんの綺麗で細い手に包まれ、感じたことがない男らしい手に少し動悸が早まる。
繋がれた手から、私のドキドキが彼に伝わってないか心配になる。
「ぁ、ありがとう。」
「ふふ、どういたしまして。じゃあまたね？」
爽やかに笑いながら手をひらひら振り、自分の教室へと戻って行ったジスくん。
彼の後ろ姿をぼーっと見つめながら、自分の胸に手を当ててみると、心臓のドキドキは鳴り止むどころか更に速さを増していた。
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理衣(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！ (2022年6月20日 23時) (
レス) @page32 id: 82f31babb9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - 続き待ってます！とても楽しみにしてますので更新頑張ってください！ (2022年4月19日 4時) (レス) @page31 id: 3063287e0d (このIDを非表示/違反報告)
uyu(プロフ) - からのポテチさん» コメントありがとうございます！嬉しいです！！頑張ります！ (2019年8月3日 20時) (レス) id: 20c193e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
からのポテチ - うわぁぁぁ、夢主ちゃん悲しいぐらいに優しいよぅ。(泣)ジウンちゃんもなんかありそうやし、、、 めっちゃ面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年8月2日 0時) (レス) id: c13b41d6ee (このIDを非表示/違反報告)
uyu(プロフ) - いくみんさん» お待たせしてしまってすみません！一応ハッピーエンドで終わる予定にしてるので安心してください！ (2019年7月31日 20時) (レス) id: 20c193e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：uyu | 作成日時：2018年3月3日 19時
