" The Greatest " third (ページ11)

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ひゃーくはちページ11

「はーい撮るで」

卒業式と書かれている看板でなのちゃん一族と私の家族で写真を撮るのを森くんがシャッターを切ってくれた

「ふたりでも撮りたい！」

「森くんもう1枚お願い」

「何枚でも撮ったる」

という言葉に甘えて、なのちゃんとふたりでとお父さんと、お母さんと、とか色んなパターンで撮った

「私が撮るからほーら」

「え、」

ツーショットとしては不思議ではないんだけど、いやでも何だか不思議な感じ

女子大学だから男性はいないし、まあ彼氏が来てる子も多いから…

「これ、持って」

「え、俺が持つん？」

「うん」

私の大学生活は西武と友哉くんな日々だったから

これがなくして成り立たなかった

それもあるけど、

「小中高一緒だったけどこんな風に過ごしたの初めてだから…私は友哉くんと卒業した気分なの」

「なにそれ、めっちゃええやん」

大学に進学しなかった友哉くんだけど、私はいちばん傍にいられてぐっと距離が縮まった濃い期間だった

「じゃあね、あお！結婚おめでとう！ちゃんとお祝い持ってくからね～！」

「うん！なのちゃんありがとう。本当に、友達になってくれて、ありがとう」

「………重いな」

「あおってたまに重い」

「手紙、書いてきたから…読んでねっ」

「あ、りがとう…」

「あお重いで」

「え、」

重いのかな…？軽いよりはいいのでは…？

でも今生の別れでもないから手紙じゃなくてLINEとかで済ませるべきだったかな？

「あお、あんたの優しいとこも可愛いところも、しっかりしてるとこもぜーんぶ大好き、ありがとう」

「なのちゃ、んっ…美人すぎる…最初横歩くの本当に嫌だったのっ、それも手紙に書いたけど…、、」

「もー何言ってるのー」

なのちゃんと別れ、向かう先は

「行ってらっしゃい」

「行ってきます」

車から降りて、友哉くんの手には婚姻届

「結婚しました～ってさっきの写真載せてい？」

「え、やだ」

さっき車の中で婚姻届を持って撮った写真のことだと思う

顔だしNGだからね、ブスとか叩かれたくないし

「えー」

「お揃いのマグとかでいいでしょ…顔は嫌」

「名前はええの？」

「うーん」

名前でたら同じ学校だった子たちにばれちゃうか…

それならやっぱり年齢くらいの方がいいかも。

ﾊﾟｼｬって聞こえたと思えば

「これでええやろ」

「まあ、それなら……」

ツーショットじゃなくていいのか……