縁組カプリッチョ

第四十楽章 ページ48

昨日は結局4時間ほど上沢さんと話し倒して、私たち十年来の友達かな？というくらい


めちゃくちゃすっきりした。

今度改めて、お礼しないと。



次千賀さんに会えたら絶対言う。

"ご飯行きましょう"って。

昨日登板だったから、今日明日はたぶん少し体を動かすくらいだろうから恐らく私が見かけることは無い。

だから、仙台に移動してからかなと考えている。

LINEとかじゃなくてね、直接言うの…！



「あお〜」

「最後にもう一点だけよろしいですか？」

「なーに」


今日はまず柳田さんにお話を聞いている。
が、柳田さんは私が怒っていると思っているのか、さっきから機嫌を伺わられている


「はい、ありがとうございます」


「え、あお泣いたー？目のまわりちょっと赤い」


ホットアイマスクある分もらって、来る前もしてきたのにやはりまだ泣いたってわかるくるいに腫れているのか…


「……泣きました」


「なんで泣いたん」


「内緒です」


「嫌な奴でもおったんか、」


「いたとしてもそんなんで泣きません」


いっそのこと、ひどいことを言われていたら…私は泣いたりしなかったかもしれない。

あんな風に拒絶され…たように感じてしまう言葉と目の方がよっぽどきついんだなあ
                


「じゃあ、泣かんあおを泣かせたのはだれ？」


「………誰とかじゃないです〜何か疲れていただけです…！」


「千賀となんかあったんじゃろ？」


「何もないです、」


「俺な…
あおと千賀はとっくに付き合ってると思ってたんじゃけど」


「あ、はい」


他にも思ってる人いたら、どうしよう。千賀さんに迷惑だよね


「俺にもチャンスあると思ってもええ？」


「えっ？」



----「それは柳田さん葵香のこと好きじゃん」

----「…そうなんですかね」

----「まあ、それかノリか本当に葵香がキスしてって言ったのか」

----「言ってません」




「すいません…今は色々いっぱいいっぱいで」


「あおは優しいなあ」



柳田さんは本当に賢い人だと思う。

たぶん、誰も気づかないような些細なことを敏感に感じ取っている

晃さんとは違うんだけど、
柳田さんにも物凄く助けられている…


それが何だか、今凄くわかって



「…本当、私疲れてるみたいで泣きそうです」


「だめ、俺あおに泣いて欲しくない」


きっと、潤んでいるであろう私の目を私の顔を包むようにして親指で抑える



「…ふふっ、目潰す気ですか」

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