縁組カプリッチョ

第二十六楽章 ページ34

おお！いた！今宮さん発見…！


思わず肩を上げて喜んでしまい、まずい見られたら変人だと思い



心を落ち着かせいざ入ろうとすると



「うえぇ、」


「あ、ごめん」


突然首根っこを引っ張られたのだ

いや、首根っこはおかしいか？
ブラウスの襟を掴まれた。




「っ千賀さん…！びっくりしましたよ！」




「俺の方がびっくりしたんだけど、
起きたらソファだし、スマホないし、昨日の記憶ないし」


「それは…ごめんなさい？」



昨日の記憶がないだと…？？

私にあんなに話させといて？



私ちょっとときめいちゃったのに？
寿命返して…


まって、それっていつから記憶ないの？



「え、記憶って？丸ごとですか…？」


「え？」


「あの〜」



千賀さんが不機嫌だったの…とは言いにくい。
あとなんだっけ…

葵香呼び…うん、これも言いにくいね。

急に抱きしめ…これも…うん



「柳田さんと漫画読んでいたとことか…？」


「いや、それは覚えてるよ」


……あ、お酒飲んでからってことか


じゃあ葵香呼びも…覚えてるってこと？

いや、気にしすぎか。


私マインド中学生だな。



「俺ってどうやって帰って来た？」


「あ、甲斐さんが連れて来てくれましたよ」


「あーやったわ、俺絶対変なこと言うたやろ」


…………


言ってた！！し行動も…でも言っていいものか…

記憶がないのなら…私が忘れればなかったことにできる…



「千賀さんの名誉のためにも、私の心にしまっておきます」


「俺そんなやばいこと言ったん？」


「あはは…

あ、今宮さん、待って」



今宮さんにお話聞くために来たのを忘れるところだった




「すみません、仕事して来ます！
今宮さーん！」

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