縁組カプリッチョ

第十八楽章 ページ26

漫画読んでるのを邪魔する訳にもいかないので、
さくっとお菓子作りを始める。


あ、その前に花瓶ってあるかな
綺麗なお花が萎れてしまう。

花瓶、花瓶…


あ、そうだ、

前に春江さんから花と花瓶貰った…！

十分インテリアの役割を果たしている花瓶に水を入れ、

んーっ自分の部屋にだけ置くのはもったいないね…リビングに置かせてもらおう！

こんなことで、千賀さん怒らないし、もし千賀さんが花粉症だったらだめだけど、
まあ、その時はその時！







「あおー」

「わ、柳田さん！」

泡立て器がないことから、ぼーっとかき混ぜていたら急に声をかけられ、びっくり


「どうしました？」


「帰って来てんやったら顔みしてくれてもええのに」


「え、すみません、邪魔しない方がいいかなあって」


邪魔もそうだけど、やはり、
挨拶するべきだったか…

私は漫画読んでる時に声かけられてもうまく反応できないけど、柳田さんはそうではなかったか！

ノートにメモっておこう



「なんかいつもと雰囲気違う」



「あーいつもスーツだからですかね」


………


いやいや、違う、違う、

本当私世間知らずか、



「はっ柳田さん、何か飲みますか！」


「そうじゃな…「あ！ドリンクバー見てください！」お、見る見る！」


柳田さんが話している途中でしょう？？！って聞こえてくる…

半ば強引に柳田さんを自分の部屋に連れていく


「あおやったとき水素水零れてたん笑ったわ」


…それは動画内で私がやり方をよく知らないのに水素水を逆さまにして、千賀さんの大事な、大事な水素水が重力に逆らうことなく落ちていったあのシーン…


---「ｱｧｱｱ千賀さんっの水そ、が…！
まって、まってｴｪｴｴ、千賀さんがもったいない、どうしよう！」

---「ちゃんと水素水って言って？」

文だと伝わらないと思うけど、千賀さんは怒ってはいなくて、笑っていた！




「あおも面白かったんじゃけど、千賀もばり笑っててつられる」


「千賀さんって本当よく笑う方ですよね」


「やーあおが面白いからじゃろ？」

えっ、と思いながらも
ちょうどドリンクバーから水素水がグラスに注がれた


「お納めください」


「ばりええやん〜！ええなこれ」


私の場合、千賀さんの極力迷惑にならないよう部屋に居るようにしているから

部屋の中で飲み物が済むのがいい！
本当に有難かった！









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