縁組カプリッチョ

第九楽章 ページ17

全部個室のお店なんだ



綺麗とかおしゃれ！って感じではなく

雰囲気のある老舗のような凄くいい感じだ


きっと創業は明治だな！




「瀬河さん」と笑いながら声をかけられ



「明治ですか？」



「ねえ、疲れてるの？
何言ってんの」

千賀さんはゲラゲラ笑っていて、機嫌いいなあって思っていたら



「絶対疲れてるよ、早く寝なよ」



「え、これからご飯食べるんですよね？？」

千賀さんの方が疲れているのでは…？
来た目的忘れてる？



「創業明治か聞いてみようよ」


話噛み合ってなくない？


というか…
もしかして無意識に声に出してた？



「急にきっと創業は明治だな！って言い出したやん」



「口に出していたとは思っていませんでした…」

恥ずかし…っ



「しかも、明治ですか？って返事何」



「え、私そんなおかしな返事しました？」



「してたよ、そんなに創業明治か気になってるのかと思った、違うの？」



「いや…なんというか…
口下手なので心の中で考えちゃうんですよ」



「面白いこと考えてんだね」


千賀さんのツボなのかハマってしまったらしく千賀さんは笑っていた


わーヤバい奴だと思われてる…


まあ、いいか千賀さん楽しそうだし。







「お待たせしましたー」


きた、もつ鍋！

千賀さんとひとつの鍋をつっつきますよ…！



「わあいい匂い…！」



「明治？」



「これは明治ですね！」



「？」




千賀さん、私が食べてるいるところを見てにこにこしていて

なんだかお兄さんみたいだな〜




「千賀さんってご兄弟います？」



「妹いるよ」



あーやはり。そのせいかな？


年下の女の子放っておけないみたいな？妹みたいに見ちゃう的な？




「瀬河さんは？」



「私は一人っ子です」



「へー上にいそうだと思った」



私もしかして妹気質みたいなとこある？
やはり、妹さんと重ねてる的な感じか





「そうだ、千賀さん」



「ん？」



「瀬河でいいですよ、さん付けなくて…」



ただで住まわせている年下の女にさんなんて付けなくていいんですよ…


寧ろ、お前と言われてもはい、なんでしょう！くらいのもんでもおかしくはないのだから…！



「瀬河」



「はい！」



「なんか上司になったみたい」



「人生の上司です！」



千賀さんはよく笑う人だ



そして、私を面白い人だと思っていると感じる…




そんなことはないよ？


千賀さんの勘違いです

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