届 い て い る ん で す ね 。

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8月の末


私は時差の関係上今日出発する



上沢さんは大活躍しています。


連絡というものは一切ありませんよ？


手紙を読んで理解してくれたに違いない



1週間くらいの間は少し期待した


でも淡い期待は捨ててしっかり準備をしました



「ちょっとお母さんあっち見てくるね」


「はーい」


まだ少し時間はあるからふらふらお店を覗く




4ヶ月って長いのかな…ー？


ホームシックにならないかな、色々心配なことはある



でも



この時計があればそんなこと考えなくても大丈夫な気がする


一緒に頑張ろう




「 いい時計ですね 」




……どきっと高鳴る胸



そんなはずはない。今日は試合のはず…






「 なんで…？ 」



私服姿の私の大好きな…うわさわさん




「 カナダってちょっと心配だけど無事に帰ってきて 」



「 ……… 」



「 お守り 」



手渡されたのは小箱


開いてみると



「 指輪… 」



「 卒業したら結婚しよう 」



「 え…? 」



「 両親には前話しておいたよ。2人共理解してくれた 」



…知らなかった


上沢さんがお母さんとお父さんに会っていたなんて…




「 あとはあおだけ 」


あんな手紙を書いたのに



何事もなかったみたいに接してくれている



どうして……


散々悩んでだした結論だったのに…



今、私の手にある指輪





「 お願いします…！ 」



やっぱり大好きなんです



「 また泣いてる 」



お付き合いするときもそういえば泣いちゃったな



上沢さんの手で拭われる涙



「 あおの手紙読んで結構悩んだ。でも俺はもうあおしか考えられない 」



「 うわさわさん… 」


上沢さんも悩んでくれたんだ…


「 俺たちさ、お互いどきどきしすぎてたと思うんだよね 」



「 どきどき？ 」



「 本音も話せてなかったでしょ？ 」



図星だ…


たしかに私はあまり上沢さんに自分のことを話せてなかった



「 ずっと上沢さんだったし 」



「 はい… 」



上沢さんとは年齢も離れているから



けど付き合ったらそんなこと関係ないもんね




「 俺4ヶ月で落ち着くから。あおと家族になるために 」


「 私もそうします 」




時計と指輪…



大切なものがまた増えた



4ヶ月間頑張ります



見送ってくれた上沢さんに手を振る





私の思い




届 い て い る ん で す ね









END

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