届 い て い る ん で す ね 。

鼓動 ページ32

「 お茶でも淹れるよ 」


「 私がやりますよ 」


「 いいから、いいから 」



おとなしくソファーに座って待っていることにした


「 あお明日空いてる？ 」



明日は朝から授業




うーん…



上沢さんと一緒にいたい…



「 はい 」


「 見たい映画があるんだ 」


「 今やっているやつですか？ 」


「 うん 」


じゃあ映画館に行くって言うことか


「 札幌駅にします？ 」


「 うーん他に見れるとこある？ 」


「 ファクトリーとか 」


「 ファクトリー行ったとこないかも 」


「 ファクトリーにしましょうか 」


今ってなんの映画やっているんだっけ…


そういえば上沢さんってどんな映画好きなんだろう


「 ねえあお 」


上沢さんが膝を叩いている


「 大丈夫ですか？ 」


「 え？俺頭可笑しいってこと？ 」吹き出して言うもんだから私が可笑しいの…


「 いや…膝痛いのかと… 」


「 違うって！ 」


上沢さんは私の真横に座って後ろから抱き締められ膝の上へ


「 わあｯ 」


「 こうしたかったの 」


私の肩に上沢さんの顎が…


「 あおー、愛してる 」


首にキスが落とされる


「 こちょばしいですｯ… 」


「 こっち向いて 」


「 ん…恥ずかしいです 」


上沢さんの膝の上で向かい合う形に…


慣れていないので心臓がばくばくです

　


「 あおからキスして 」



上沢さんはお付き合い何度かしてるから今さらどきどきしないかもしれないですが…


自分からキスなんてできません…




「 …恥ずかしいですｯ 」


「 じゃあ目瞑る 」




目を閉じられても…


恥ずかしさはあまり変わりません



意を決して…



唇の端に触れるだけのキスをした




「 もう下ろしてくださいｯ…!! 」


「 やばい…あおかわいい 」



上沢さんの上にいるけど背中を見せることにした


…下ろしてくれない



「 手貸して 」


「 ……? 」


「 わかる？俺どきどきしてる 」



早い鼓動…


手から伝わってくる



「 どきどき…あおよりしてるかも 」


私の方こそ


と思って、上沢さんの手を掴んで私の心臓音が伝わるように


「 あお… 」


上沢さんは真っ赤になっていた



「 上沢さん…下ろしてください… 」


「 余計下ろしたくなくなる 」


「 意地悪… 」


甘い甘い時間

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