き み と い う 生 物

なっ ページ7

「世河さん、これ企画課から」




「ありがとうございます」


人当たりがいいとか愛想がいいわけではないけれどいつでも感謝の言葉を欠かさないのは世河さんの素敵なところ



「……」



1枚の紙とにらめっこ中

企画課が世河さんに？なんだろうか




「これ、私がやるんですか」



「そうなるね…きつい？」



「……選手に迷惑でなければいいんですけど」



「そこが大事だよね、そこも世河さんがやることになるけど大丈夫…？」



「わかりました、やります」



そして世河さんはできないかもしれないと思っていてもやる。結構好戦的なのだ





「鈴木さん、」




そのまま出るみたいだから急いでグラウンドに戻ろうとしたら背後から声をかけられた




「練習、終わりに…というか練習って終わりますか？」



「は、はい…？」



どういう意味だ……？



「すみません。主旨を話します。

球場をより楽しむため選手のおすすめをInstagramで紹介しようって企画がありまして…

例えば、好きな店舗とか、グッズ…おすすめの席を紹介する…というもので…

ぱぱっとできるものではないのでお時間をいただくと思うんですけど…

でも練習があると思うんで…無理でしたらい「やります、やらせてください」

……ありがとうございます」



世河さん、驚いていた



世河さんは変わっていて人にもあまり興味なさそうだけど


人一倍気を遣う性格なんじゃないかと最近思っている




「15時にお願いします…企画課でやるので…」



「俺以外にいますか？」



「はい」



「誰ですか？」



「？菊池さん、丸さん、大瀬良さんです」



「俺言っておきますよ」



「え、そんな大丈夫ですよ」



さっきの様子だったら断られる前提って感じだったからな…

きっと人気のある選手だろうと思っていたけどこの3人なら俺が伝えられる



「大瀬良さんだけ私行きますね」



たぶん、野手じゃないから練習場所が違うと言うことだろうが



「今日ピッチャーもグラウンドでやってるんで、伝えますよ」



大瀬良さんは今やライバル…！
極力絡ませないようにする



「ありがとうございます。1時間ほどで終わると思うのでとお伝えください」



「はい」



少しでも、俺のこと優しいだとか、気が遣えるとか思ってくれたら嬉しいな









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