き み と い う 生 物

にじゅいちっ ページ21

「世河さんいつもと違う！」「河ちゃん可愛いね〜！」



Instagramの評判が良く、毎日のように世河さんはグラウンドにいて

選手と絡むのも増えたせいか、よく話しているのを見かける



俺としては、よく思わないわけで

心が休まることがない



そして、今日は3ヶ月に１回の日。
そう、可愛い。めちゃくちゃ可愛い。


東京とかにいたら絶対スカウトされるやつ
俺だったら声掛けちゃう




「世河さん、今日総務課の男性と食事らしいですよ」


耳打ちのようにして、教えてくれたのは毎度おなじみの柚原さんだ

「え？！まじすか…」



「はい、私は知らないんですけど元々広報課の人だったらしいです」



そうだよなあ…
前から誘っていれば行くんだもんな世河さん


でも、それ意識して3ヶ月に１回のやってるのか？

そうだったら事件じゃん？？


「世河さんは相変わらずですか？」



「見たままですよ〜
軽くあしらわれるくらいです」

逆に凄いメンタルですよ。と
慰められているのか…？



「河ちゃんとデート？」

久々登場の大瀬良さん



「何か総務課の人とデートらしいですよ、浮気者め」わかりやすく俺がいじけると


「世河さん何考えているかわかりにくいから、内心鈴木さんに好意寄せててもわからないですよね」



「確かに」


そんな風になる日はくるかなと曇っている空を見上げる



「言っちゃったら？

行かないでって」



「「……？！」」



「河ちゃん何て返すかなー？」



「大瀬良さん、それ返しが楽しみってことじゃないですよね？？」



「実験講座じゃないっすよ！」



「違うって…！何となく、一気に誠也の想い届くんじゃないかなって」



大瀬良さんの言葉に柚原さんも俺もリアクションできなかった



3人で見上げる空はやはり曇っている




「噂をすればじゃないですか」



総務課のと言われなくても、わかった



「イケメン…」



「誠也もイケメンだって！」励まされても、自分とは比にならない整った容姿。そしてチャラさなんて一切なく誠実そうな雰囲気



「世河さんああいう人が好きなのかな」



「鈴木さんメンタルずたずたdayですね」

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