第八十八楽章 ページ46
心配をよそに、暗い部屋にひとまず安心する。もう寝ているのだろう。
千賀さんも明日遠征からだよね…じゃあ朝も早いから会わずに済む…ってその考えだめ…！
23歳の私しっかりして…！ポジティブに！自分に喝を入れながらリビングに入り電気を点ける。
思わず力が抜け、手からバッグが落ちる。
ブランド名とブルーが合わさったアクセサリーブランド…の袋がある。
…いや、違うちがうって、
正体がわかるような、そんな思いで1歩1歩テーブルに近づいた。
葵香へ
「…うそ」
おかえり。
お誕生日おめでとう。
本当は、直接言いたかったけど、仕事の邪魔はしたくないから手紙にしてみる笑
この前、葵香はお母さんに行動がうるさいって言われるって言ってたけど、俺はその騒がしい感じがなくていま寂しい。
葵香が楽しそうに仕事するの知っているから大変だとは思うけど葵香が頑張ってんやろうなと思うと、俺も頑張ろうって思うよ。
ただ、頑張りすぎんで欲しい。ちゃんと寝て欲しいし、休んで欲しい。
手紙とかほとんど書いたことないから、読みにくかったらごめん笑
とにかく、おめでとう！
オフなったら糸島の方必ず行こう。
いつもありがとう。
葵香の夢応援しているよ！
「うっ、…」
次々に涙が落ちる、
「う、っ…ぁ」
力の入らない手で、袋から小箱を出して開く。
ピアスだ…
私、ピアスこっちに来てから何回かしかつけてないよ…っ
どうして…千賀さん知ってるの
千賀さん、ごめんなさい
帰って来なくて、ごめんなさい。私も会いたかった、
直接おめでとうって言って欲しかった…
「はあ…っー…ぁ…」
涙を拭っても、拭ってもどんどん、流れていくタクシーで温まったのに流れる涙は冷たい。
私またやっちゃったよ…
また、勝手に考え込んで、
「なに泣いてん〜…？」
テーブルの前で座り込む私を優しく後ろから包み込んでくれた
「葵香お疲れ様」
ぽんぽんっと、抱きしめながら頭を撫でてくれる千賀さん。
違う、ちがうんです。
仕事じゃないんです、
「お誕生日おめでとう」
「…っありがとう、ございます」
「なんで泣いてん？嫌なことあった？」
他に誰がいるわけでもないのに、私にだけ聞こえるよう耳元で囁かれる
「嬉し、くてっ…」
「ふ、会えないと思ってたから、会えてよかった。何か飲む？」
「まだ…このままが、いいです」
「前もこんなことあったね」
温かさや、安心感や、心地良さ。
まだいっぱい今の状態を表現する言葉があるかもしれないけど
とにかく、心が落ち着いていく。
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ぶ る ー か(プロフ) - みかんの木さん» ぇぇえ〜！ありがとうございます😭🙇♀️こちらこそ読んでいただきありがとうございます！頑張ります🔥 (2022年3月31日 0時) (
レス) @page50 id: fd8434313d (このIDを非表示/違反報告)
みかんの木 - 面白すぎます。天才です。これからも楽しみにしています…！！！ (2022年3月30日 20時) (レス) @page50 id: d024df346a (このIDを非表示/違反報告)
ぶ る ー か(プロフ) - 虹華さん» いつもありがとうございます🥰 (2021年11月3日 11時) (レス) id: fd8434313d (このIDを非表示/違反報告)
虹華(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも更新楽しみにしてます！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page2 id: 8226fbc010 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶるーか | 作者ホームページ：http://semi.karasu
作成日時：2021年11月2日 17時
