二次元にトリップしたと思ったら (ページ32)

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＜とあるドラマを思い出すページ32

「お前、こんな所で何してんだよ…」

『うっ、うっ…』

顔を上げると、私に傘をさしているから自分がびしょ濡れになっているベクがいた

そんなベクに私は思わず抱きついていた

「えっ…ちょっ」

『……不安だったっ、このまま、もし一生覚めなかったら、どうしようって、独りがすごく、っ、怖くてっ、』

泣きじゃくる私の背中をベクは黙ってさすってくれた

「お前…なんでギョンスと一緒に帰って来ねえんだよ…」

『夢だから…っ、先に帰っても大丈夫だって思ってた…』

「…ほんとアホだな」

馬鹿にされたけど、今はどうだっていい、帰るぞといって一つの傘をさしなおしたベクを見て男らしいなって思った

『…ベク、来てくれて、ありがとう』

「…おう、」

『…なんで傘一つしか持って来なかったの？』

「うるせー！」

そう言って私の肩を叩いてくる

濡れるじゃん！と言って私もベクの肩を叩き返した

その時、あることに気づいた

『…ベク、顔…』

「ん？あ、ああ、すっぴんの方がファンにバレないし…」

閣下が…なんてさっきまでの私なら絶対に言わなかったけど今なら言える
ベクが来てくれたから

『へへ、ベク、お前いいキャラしてんじゃん！』

私がへへっと笑うと子犬顔のベクも同じように笑って、どういう事だよと言った

よかった、ベクのお陰で、不安が和らげた

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