18 少しだけ思い出に寄り道 ページ18
管理人さんに、訳を話してカードキーは、
とりあえず預かって、もらうことにした。
日本に帰っても、1番待っていてくれた人は、
もういないのに。
私はどこに帰ろうとしているのだろう。
誰よりも大切に思う人が、
いるこの場所から離れて。
空港へと言うつもりがなぜか漢江と、
タクシーに告げてしまっていた。
まだ朝も早い。少し寄り道をしよう。
晩秋の漢江は、
(ここの夜景が綺麗なんだよ)
そう言って笑って話してくれたあの日。
初めて、ベッキョンと屋上で話をしたのを、
思い出したから。
ベッキョンに近づきすぎるのが怖かった。
いつかきっと、心も全て見透かされてしまう、そんな目をしてる。
誰よりも傷つきやすい、そんな儚さをもつ人。
なんで、私はこんなに中途半端なままで、
残されてしまったんだろう。
誰かが展望台に座っているのが見えた。
引き返そうとした時、名前を呼ばれた。
be「A？ 」
振り返るとそこに居たのは、
ベッキョンだった。
be「これってすごいね、
Aの事考えてたら、
ここに足が向いちゃってた。
Aはどうしたの? 」
A「日本に、私用で一度戻ろうと思って、
空港に行くつもりだったのに、
ここに何故か来ちゃって」
be「Aと、ここに来てみたかった」
A「何故、私？ 」
be「何でかな。
多分、Aが強い人だからかな」
A「私は強くなんかないよ」
ベッキョンのことを考えると、
なぜか心が騒いでどうしたらいいのか、
解らない自分に、とまどってしまう。
テミンとも違って、
お姉さんを気取る事が出来なくなるのは、
何故なのだろう。
be「すぐ帰ってくるよね? 」
静かな声が、聞こえる。
私の横顔を見て、
漢江の写真を撮っている。
フィルター越しに、
世界を切り取るように、
瞬間を写しこんでいく。
A「あなたは、もっともっと世界に、
出ていけれる人なんだね」
be「Aもだよ」
A「私の世界はこんなに狭いのに」
カメラをそっと展望台に置き、
ベッキョンは私の肩を、
そっと引き寄せてくれた。
be「そんな泣きそうな顔しないで。
離したくなくなる。
A「泣かないよ、私」
be 「絶対、ここにまた帰ってこい。
みんな、Aの事が大好きなんだ」
A「私もみんな大好きだよ」
be 「A、僕だけのAでいて欲しかったけど。僕じゃダメなんだね。
今、Aは、不安な顔してる」
ベッキョンの肩越しにじっと、
向こう岸を走る車の流れを眺めてた。
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如月ゆい(プロフ) - マユったんさん» ありがとうございます^ ^ お返事遅くなりました。もう時期、帰ってきますね。唯一無二なキュヒョンの声が、私の支えでした。ずっと、それは変わらないと思います。 (2019年4月4日 7時) (
レス) id: a674f2c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
マユったん(プロフ) - 読み終わった時、心がほっこりして温かくなりました。私も もギュったんを待つあいだ精神的に良い女性になれていたらと思います。楽しませてくれてありがとうございました。 (2018年11月2日 5時) (レス) id: 7aeeb771bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月ゆい
| 作成日時：2018年3月7日 1時
