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9 白い月とイトゥク ページ9

トゥギ「Aが、モデルになっちゃったらこうして飲む時間も無くなるのかな」
A「そんなことないよ。
それに私は元々が練習生じゃないから、
そんなにたくさんのオファーが、
来る事はないし。」

siw「基礎がないって事なら、別だよ」

シウォンが口をはさんだ。

siw「Aちゃんの普段から、
やってきたフラってあれ、
基礎がしっっかりしてないと出来ないんだよ。
姿勢もいいし、充分に練習生以上の素質はある」
A「そうなのかな? 」
 
私は、カルアミルクを作って、
カランコロンとする氷の音を、
ぼんやりと聞いていた。


トゥギ「ちょっと酔った? 」

イトゥクが、
横に来て私のグラスを取り上げた。

A「気分に酔ったのかも。
そんなには飲んでないから」
トゥギ「おいで。外の風に当たったら
気持ちがいいかも。けど、肌寒いから少しだけ」

そう言って、ベランダに私の手を引いてくれる。
もう11月になろうとしている
ソウルの風は少し、
淋しげに吹いて肩を優しく包んでくれる。
 
 
 
 
ベランダに出ると、そばの二人掛けのベンチに座る。
 
トゥギ「社長の考えてる事が、僕らにもわからないんだよね。今回のMVもいきなりだったから、みんなびっくりしてる」

言葉をここで切って、
イトゥクはじっと私を見ている。

トゥギ「どんどん、Aが遠くに行くような気がする、あの月みたいに」


A「私はここにいますよ。
オッパ達が帰ってこれるとこがここなのなら。
もちろん、いつかみんなそれぞれの本当の家族が出来てバラバラになる日がくるのだろうけど」


トゥギ「本当の家族か。
ここが今の僕にとっては、
本当の家族になってるんだけどね」
 
悲しそうな表情で月を見ている。
イトゥクの家族は、
もうバラバラになっていたのを私は知っている。
 
トゥギ「風が冷たくなってきたね。戻ろうか」
A「はい。オッパ、薄着だから風邪ひいちゃうね」

一瞬、泣きそうな表情をした、
イトゥクは、
歩きかけた私をぎゅっと抱きしめて、

トゥギ「ごめん、もうちょっとこのままでいて。
Aがどこにも行かないって感じたいんだ」

イトゥクの心臓の鼓動が、
抱きしめられた私の耳元で、
すごく高鳴っているのが聞こえる。

キュヒョンの部屋のカーテンが、
揺れて光が漏れる。
暫くしてから、居間のガラス戸が空く音がしたから
そっと、私を離す。


トゥギ「ありがと。Aにお土産あとで渡すね。」

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如月ゆい(プロフ) - マユったんさん» ありがとうございます^ ^ お返事遅くなりました。もう時期、帰ってきますね。唯一無二なキュヒョンの声が、私の支えでした。ずっと、それは変わらないと思います。 (2019年4月4日 7時) (レス) id: a674f2c4f0 (このIDを非表示/違反報告)
マユったん(プロフ) - 読み終わった時、心がほっこりして温かくなりました。私も もギュったんを待つあいだ精神的に良い女性になれていたらと思います。楽しませてくれてありがとうございました。 (2018年11月2日 5時) (レス) id: 7aeeb771bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月ゆい | 作成日時:2018年3月7日 1時

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