約束をした夜 (ページ12)

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12 迷いの森のアリスページ12

目の前にいるテミンは、
夢の世界にしか思えないくらい綺麗で、だから私は、突然、迷い込んだアリスみたいな気分になる。

テミンの手のチェスの駒が、
ひとつずつ歩んでいく。
迷いの森は、ボーンが決める。
tam「ほら、変わった」
A「あっ」
tam「ねっ」

テミンの笑顔で、迷いから抜け出す。
tam「ボーンも、変われるんだよ」
A「チェスって、面白いです」

君が手にしてた迷いは、
僕が抱えてた悩みと同じ。
誰もが、夢の中にいられる訳じゃないから、
でも、夢くらいは見ていたい。

tam「そろそろ、帰ろう、送る」

ベッキョン達に、挨拶をして店を出る。

tam「楽しかった、ありがとね、
付き合ってくれて」
A「私の方こそ、ご馳走にもなって、
ありがとうございました」
tam「あっ、連絡先教えて」
A「私の？」
tam「ん、また、誘いたいから」

少し戸惑いながら、テミンの番号を登録した。
タクシーで、マンションの前まで、
送ってもらう。
tam「このマンション？」
A「はい」
tam「またね」

タクシーが、去っていくのを、
手を振って見送る。
またねって、次もあるの？
幸せな時間だった。
私にかかった魔法は、いつかかって、
いつ醒めるのかが怖かった。

部屋に入ってから、

ありがとうございました。
楽しかったです。
明日も、がんばれます。
おやすみなさい。

って、カトクを送る。

❇プロモーション(昇格・成る)と呼ばれるルール