11 私だけ別世界みたい ページ11
A「どうしたの？ 」
tam「ん、何でもない」
ベッキョンの横にいるのは、
僕の大好きだった人で、
だったって過去形に出来てるんだって、
今、気付いた。
A「さっきの映画良かったですよね」
tam「うん、前から観たくて、
リバイバル待ってたら」
A「私もです」
カウンターから、ベッキョンが話しかけてきた。
be「どっか行ってた？ 」
A「映画館で、偶然会ったんです」
be「そうなんだ」
映画か 約束してた訳じゃないんだって、
少しホッとした。
シウミンに教えるのは、
帰ってからにする事にした。
知らないふりも出来ないし。
君が頼んだのは、ストロベリー・フィズ。
甘くて綺麗な夢みたいな色をしてる。
tam「それ、美味しい？ 」
A「甘いです」
tam「少し飲ませて？ 」
君のグラスを手にとる。
tam「でも、美味しい」
テーブルの上には、ガラスのチェス。
tam「綺麗だね」
クリスタルのクイーンを進ます。
A「チェスは、難しくて」
A2「それ、綺麗でしょ。
頂いたから、ここに置くのが一番かと思って」
tam「そうなんだ」
どこまでも、完璧な人っているんだなって、
神様は不公平なのかもとか、
ここにいると思ってしまう。
私のいた世界とは、違いすぎる気がする。
tam「退屈？ 」
A「あっ、いえ」
テミンの声に、顔に出てたかなって、
少し間を置いて答える。
A「なんか、私とは違うんだなって」
tam「どう違う？ 」
A「現実と夢の世界くらい」
tam「それじゃ、ワカラナイ」
A「例えば、このチェスひとつにしても、
普通は、おもちゃにしかすぎないのに、
ここまでくると美術作品です」
tam「解りやすい」
A「でしょ」
tam「君は、自分が違うと思ってるんだ」
A「私は現実派ですから」
tam「僕もだよ」
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作者名：如月ゆい
| 作成日時：2017年8月13日 8時
