9 テヒョンの笑顔 ページ9
アナウンスが、流れる。
会場の閉館の。
さっきまでいたたくさんの人は、
影もなくて、私1人だけで、怖くなった。
真っ暗な会場。1人なんだって思うと、
どこにも行けなくなった。
A「テテ......」
小さなライトが点く。私の上を照らしてた。
tae「早く呼べよ」
A「テテ」
ステージから歩いてきたテヒョンが、
目の前に立ってる。
私とテヒョンだけの空間が、そこにある。
赤い薔薇をテヒョンに、差し出す。
A「薔薇をもらったの」
tae「うん
A「知ってたの? 」
tae「ユンギヒョンが、教えてくれた。
日本armyに問い合わせて」
忙しいメンバーにとって、
それがどんなに大変な事なのかって、
私でも解る。
泣き崩れた私の肩に、手を置く。
tae「もういいよな、俺、解ったから」
テヒョンの顔を見上げる。
tae「A、いないとダメだ」
A「私もだよ」
テヒョンの手は暖かくて、全然変わらない。
私の頰に手を置いて、
ニッて、顔中を嬉しそうにして笑った。
テヒョンの笑顔だ。
tae「行こう、ここ、もう出ないと」
テヒョンの差し出された手を、
ギュッて握りしめる。
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作者名:如月ゆい | 作成日時:2017年8月13日 0時