2 ディオもギョンスだから ページ2
A「嫌だった」
思いっきりの、声を絞りだす。
dio「うん 」
A「今日、ギョンス、映画の 」
下を向いて、私が言いかけた時、
走ってきたギョンスにギュって、
抱きしめられてた。
ギョンスの香りに、包みこまれてた。
ドキドキしてるのが、私にも伝わってくる。
dio「もう言うな」
俯いてた顔を上げると、
ギョンスと目があった。
目に溜まってた涙を、
ギョンスの指が拭き取る。
A「すぐ追いかけてもきてくれなかった」
dio「ばかAだから」
A「解ってるよ、だって」
dio「俺は、どんな時でも俺だから」
腕の中、じっと見上げる。
ギョンスの顔に両手を伸ばす。
ふっくらとした頰から唇に、指で触れていく。
私の手をギョンスの手が覆うように、取る。
解っている事なのに、
これからも何度も、
観なきゃいけない光景なのに。
dio「俺は、お前が嫌がっても、
仕事なんだから、断れない。
だけど、本当に真剣にAが嫌がる事は、
俺は絶対しない」
一言一言を、選びながら話すギョンス。
いつだって、まじめすぎるから、
私の我儘な態度にすら、
真剣に受け止めてくれる。
A「ごめんなさい」
泣き出したあとは、言葉にはならない。
ギョンスのキスが、私の額に落ちる。
見上げたままの姿勢で、ギョンスを見てた。
dio「嫌だろ 」
って、
A「ばか、ディオ」
dio「ばかAに言われたくはない」
A「嫌じゃないよ、ディオはギョンスだもん」
やっと、笑って私の大好きな目が、
くしゃくしゃになる。
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作者名:如月ゆい | 作成日時:2017年6月23日 0時