One More Thing (ページ8)

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8 近いのに遠い人ページ8

専門学校も残りあと1年。

私は、何をしたいのかを、
探してるだけなのかもしれない。

毎日、その日の課題をこなしていく日々。
韓国語も大分、慣れてきた。
このまま残って、こっちに就職してもいいのかなと、卒業後の自分の未来を考えてた。

時々、バイト先に、チャンミンが、帰り道に寄ってくれる回数が増えた。
顔を見れるだけでも嬉しかった。
言葉なんて交わせなくても。
チャンミンは、手の届かない人なんだから。
隣に住んでるのが、解ったからって、
それで何かが変わる訳じゃない。

もう少しで、活動開始の時期。
短い休暇を過ごす。
どこかに旅行するつもりでいた。
なのに何故、
俺はここからどこにも行く気にならないのか？
ヒョンに聞かれた。

yu「兵役終わったら、旅行するって、
言ってたのやめた？、あと１月で、
また休みが取れない時期になるぞ」

と。

chm「もう少し、考えてみる」

コンビニで、雑誌とコーヒーを買って帰る。
元気な笑顔で挨拶するA。
何かを話しかけたいのに、きっかけがない。
いつもなら、車での距離。
歩いて、向かうコンビニへの道。
君は11時までのシフト。

心配で、10分前に、コンビニに入って、先に出る。お疲れ様の声が聞こえて、君がコンビニから出てくるのを確かめてから、
走って、マンションに向かう。
身体を鍛えるのに、ちょうどいいランニング。
俺は、何を考えてる？
気づかれないように、出くわさないように、
距離を置いてる。

チャンミンの後ろ姿を、見ながらAは、帰る。走り去ったあの背中。私の帰る時間、ランニングしてる姿を見かける。

1人の夜道が、怖くなくなったのは、
チャンミンのお陰だ。偶然なのかな、
走るチャンミンの背中を追いかけていた。
いつだって、私の先を歩いて、
私の光だったチャンミン。
こんなに、近くにいるのに、やっぱり遠い人。