31 20歳の君へ ページ31
Aの部屋の中は、
花でいっぱいだった。
色んな事務所からも花が届いていた。
看護師さんが、
ここはお花屋さんみたい と
笑って水を替えてくれてた。
ロビーや、他の場所に花を、
観てもらいたいからと幾つか移されていた。
jo「綺麗な顔で眠ってるね」
グクが、その頰に手をやる。
ユンギが、言う。
yu「もういい加減、起きろよ」
テヒョンは、Aの手を握ったままで、
te「俺のストラップ、鎖切れたんだ。
また、一緒に買いに行こう」
壊れたストラップを、その掌に乗せる。
Aのストラップが机の上にあるのを、
取り上げて2つを合わせる。
ピクってストラップを持つ指が動く。
その動きに、みんなが気付く。
急いで医師が呼ばれる。
te「A?」
ゆっくり、目を開けるA。
その目に映ったのは、テヒョンの目だった。
A「また、あの遊園地で?」
Aの手がゆっくり伸びる。
その手を、テヒョンが自分の頰に触れさせた。
A「テテの声が聞こえたの」
テヒョンの目から涙がこぼれた。
A「泣かないで」
16歳の君としたかった事を
17歳の君と見たかった物を
18歳の君と行きたかった所を
19歳の君が夢見ていたことを
20歳の君と一緒にしたいんだ
そんな事を考えながら、
君が目を覚ますまで、思って過ごしてた。
そんな事を言ったら、君はどう思う?
もう君を泣かさないから。
掴んだ手がもう離れないように
何度も何度も 僕らは
確かめあわずにすまなかった
愛ってそうじゃないよな?
安心させてやれるのが 愛なんだって
僕らの恋が、愛に変わった日。
fin
Aさん、ここまでお読みいただいて
ありがとうございました。
書いた作者でも、テヒョン君のお話の中で
このお話が、楽しく書けて大好きでした。
また、次のテヒョン君話が、書けたら。
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作者名:如月ゆい | 作成日時:2017年3月1日 23時