29 バカだよ ページ29
真夜中過ぎに、かかってきた電話。
マネ「手術が終わって、ICUに入ってるって」
jo「どんな状況で事故に?」
言葉が出ないテヒョンの代わりに、
ジョングクが聞いていた。
マネ「信号無視の車が、スピード落とさずに突っ込んできて、隣を歩いてた子供を咄嗟にかばったって」
te「やっぱり、俺のAは、ばかだよ」
テヒョンは下を向いたままで、
膝に置いた掌に、涙が落ちてきた。
言葉を続けるマネージャー。
マネ「命があったのがとにかく奇跡だって」
それ以上は、マネージャーも言葉にならなかった。
レプモンは口を開いた。
rpm「次のステージが終わったら、
そのまま、お前だけソウルに戻れ。
ただ今は普通のツアーじゃない、
穴を開けるのだけはだめだ。
次の国に行く1週間、俺たちも、
すぐ追いかけて戻る。今日はもう休め」
ユンギが、これ飲めって眠剤をくれた。
yu「BTS付けの医者からもらったやつ」
開始時間が早い日曜日で良かった。
最終便に乗り込み、テヒョンと
マネージャーがソウルに先に戻って行った。
病院につくと、ゆあがロビーで待っていてくれた。
ゆあ「ずっと、出てこないの」
病室の控え室にAの両親が待っていた。
Aによく似た母親。
心配で、眠れない夜を過ごしてたのは、
俺たちだけじゃない。
母「顔を見に行きますか?
家族なら、入れます。
あなたがテヒョンさん?」
te「はい」
マスクと手袋をはめてから、
ゆあとテヒョンも入っていった。
青と白の部屋だって思った。
シート越しに見えるAは、
真っ白で空気に透けてしまいそうだった。
母「声をかけてあげてね、
麻酔は、とっくに切れてるはずなの」
何度も、名前を呼んだつもりだった。
だけど、声にならなかった。
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作者名:如月ゆい | 作成日時:2017年3月1日 23時