17 ダイレクトメッセージ ページ17
MC「では、最後に挨拶をして、お別れの時間にしましょう」
TAE「いつもありがとう。ずっと一緒にいよう」
ファンへのメッセージなのか、
今まで見せた事の無いくらいの、
優しい目で、TVの画面に映るテミンの姿に、
会場にいたファンは溜息をついた。
Aの元へ、DMが届いた。
《君は誰？》
誰なのか解らないツイート。
だけど、Aには解った。
テミンがあのたくさんのツイートから、
私を見つけてくれたんだって。
《パズル返して》
《バレてたか(笑》
ツイートを書きながら、Aは泣いてた。
次の日は、休日。
いつもの時間にあの公園に行ってみた。
テミンがいるはずもないのに。
冬に入ったソウルに、朝日が登り始める時間は遅い。白い息を吐きながら、Aはベンチに座って、持ってきたホットココアを飲む。
イヤホンから、流れてるのは、
stand by me
来るはずのない人を待つのは楽だ。
来ないと解って待てるから。
変な言い訳ばかりしてる自分。
俯いてばかりで、ごめんなさいって
自分に対して謝った。
不意に誰かに手で、目を隠される。
TAE「ばかA」
A「うん」
TAE「なんで、いなくなった？」
A「テミナと、自分を比べてた」
TAE「ほんと、ばか」
A「うん」
TAE「比べなくてたって、Aのが可愛いし」
A「真面目に、聞いて」
TAE「うん、解ってる」
A「テミナの周りは、キラキラしてるのに、
1人で待ってる自分が嫌になってた」
TAE「キラキラしてるのはAなのに」
A「私はちがうよ。
でも、引っ越ししても何も変わらなかった。
余計会いたくて、悲しくなった」
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作者名：如月ゆい
| 作成日時：2017年1月11日 23時
