If I can meet in a dream (ページ20)

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20 zicoの章2 live ページ20

あれは、旅行で行ったソウルの
街角の街頭スクリーンのCMの中。
Aの足が止まった。
A「あれ、誰？」
一緒に来てた友達に聞いた。
友達「zicoだけど、そうか、Aは
K-popには、興味なかったもんね」

A「そうなんだ」

それから、私はzicoを追いかけはじめた。
アイドルと、あの人は違う事くらいは知ってる。
同じなのは、遠いって事。
もし、あの人がいたら、
こんな風に大人になってたのかなって。

私の初めてのLIVEデビュー。
ファンクラブに入って取れたアリーナツアー。
ソロコンサートが、開催されるって聞いてから、
ずっと待ちわびてた。

じっと、zicoの声を聴いてた。
なんで、こんなに泣けてくるんだろう。
あの人がいなくなって色を無くした私の世界に、
zicoは色をつけてくれた。

周りのファンの子が心配してくれた。
知らない人なのに、みんな優しかった。
Liveが終わりを告げる。
いつまでも続いてほしかった。

階段を降りていくと、外は秋の風が吹き始めて
美しい季節が訪れる。帰るのが何故か嫌で、
公園のベンチに腰掛けて、
イヤホンを付けて口ずさむ。
あなたの作った曲を。
ー君は僕僕は君ー

イヤホンから、流れる曲以外に
別の声が聞こえてくる。
俯いていた、頭をあげイヤホンを外す。
A「うそ」
優しい声が聞こえたのは、空耳じゃなかった。
ベンチの横にあなたがいた。
zi「俺より、その歌、上手いじゃん」
A「何回も聴いたから」
これは私の見てる幻なのかな。