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この非常時誰も油断する人間なんているハズなかった
「彼らなら俺のマジックで貰っちゃったよ」
そう言って手の中の三つの玉を見せる敵。
あの中に三人が!!
「！？返せ!!」
僕が何度も返せと言えども敵は返さない。
一瞬で奪われた３人。A君に関してはついさっきまで轟君と話していた。
「どけ！」
と轟君が個性をつかって敵のいる木を凍らせた。轟君も焦っていた。
しかし敵もそう簡単には凍ってくれるはずもなく、空中に浮き余裕そうに轟君の攻撃をかわしていった。
「悪いね俺ァ逃げ足と欺く事だけが取り柄でよ！」
そいつは「開闢行動隊！目標回収達成だ これにて幕引き!!」と言って素早く逃げていった。
「ダメだ…!!」
こんなあっさりと仲間を失うのか
「させねえ!!絶対逃がすな!!」
轟君の言葉で皆走り出した。
くそっ!!くそっ!!俺がもっと動ければ!!
相手は思いのほか逃げ足が早かった。このままじゃ皆連れていかれてしまうっ
体がずくずくと悲鳴をあげる。
考えろ考えろ。何かあるはずだ。何か…
「諦めちゃ…ダメだ…!!追いついて…取り返さなきゃ！」
「しかしこのままでは離される一方だぞ」
障子君の言う通りだ。このままじゃダメなんだ
「麗日さん!!僕らを浮かして早く！」
それから僕は皆に指示をだした。
「お前は残ってろ痛みでそれどころじゃあ…」
「痛みなんか今知らない 動けるよ…早くっ!!」
痛みなんか関係ない。今逃したら一生後悔する事になる。
「いいよつゆちゃん」
「必ず三人を救けてね」
飛んだ先にはさっきの敵。ものすごい勢いで相手を地面に叩き付けて着地した。しかしそこには沢山の敵がいた。
相手の攻撃に反応が遅れてまともに受けてしまった。
「さっき思ったんですけどもっと血出てたほうがもっとカッコイイよ出久くん!!」
「はあ!!？」
敵の女の子が俺の上に飛びついてきた。僕の思っている以上に自分の体は言う事がきかなかった。しかしそれを直ぐに障子君が救けてくれた。
「二人とも逃げるぞ!!右ポケットに入ってたこれが常闇、爆豪、研能だなエンターテイナー」
障子君の手に握られている玉。たしかにさっきの玉だ!!
「障子君!!」
少し気が緩んだ。その直後僕達の前に見覚えのあるヤツが現れた。
「ワープの…」
敵は撤退するべく次々とワープの中へ入っていった。やった、これで勝ちだ。
「ああ…悪い癖だよマジックの基本でねモノを見せびらかす時ってのは…トリックがある時だぜ？」
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作者名：ふじさん | 作成日時：2017年8月18日 21時
