episode27 ページ27
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「星きれい」
夜のベランダ。
夏でも星って綺麗なんだ。
そんなことを思う。
隣は永瀬の部屋で
もしいま、永瀬が出てきたら...
嬉しいかもな。なんて呟いてみる。
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「なんてね」
「さっきから1人でブツブツ怖いわ。」
「はぁ!?その言い方は無いんじゃないの...、」
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永瀬だった。
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余りの驚きに空いた口が塞がらない。
月明かりに照らされた永瀬の横顔を
魅入るように見つめてるだけ。
すると、永瀬が視線に気づいて
ふと私を見る。
廉「見すぎ。」
「 ... ご、ごめん、」
廉「別にええけど」
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特に気にしてなさそうに
そういった永瀬の目は、また星を映す。
色素の薄い目に、星が綺麗に輝いて。
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すごく、綺麗な横顔。
胸がきゅん、と締め付けられる。
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「 .... 星、綺麗だね」
廉「 .... 」
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返事が返ってこない。
ちょっと寂しくなってちら、と見てみると
音楽を聞いていた永瀬。
聞こえなかっただけか、と安心する。
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また、星に目を移したとき
ぐいっと。服越しに触れた、何か。
瞬きする暇さえなく
そのまま引き寄せられて。
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廉「お前も聞く?」
「え...っ、」
廉「もうええわ。聞いとけ。」
戸惑う私を見て
ふわり、と口元を緩ませた永瀬が
私の耳にそっと、いやイヤホンを詰める。
その瞬間、コードが引かれあって
少し低い柵越しに肩が当たる。
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「いい曲だね、」
廉「おん」
星どころじゃなくて。
ドキドキどころじゃなくて。
ただ、そういうのに精一杯なの。
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私がこんなにドキドキしてるのに
永瀬は全然普通だから、すごく悔しいけど。
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高二の春。
君と出会って。
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高二の夏。
私はやっと、自覚するのです。
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どうしようもなく
私は君に惹かれていて。
もう、興味とか
気になってるとか
そういうのを、とっくに
通り抜けて。
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君に、永瀬に
恋をしたんだと。
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廉「お前、ほんまに俺のこん見すぎ。」
「う、うるさい、」
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中一のあの日。
病室で目覚めてから、初めての恋だった。
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私は、一人前に恋をしていた。
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ヤリチンのゴロリ(プロフ) - 作者さんの作品は全部面白くて、、感情移入しちゃってます( (2017年1月10日 17時) (レス) id: 1504061187 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - とても面白くて続き読むのが楽しくて仕方がないです。なぜ?どうして?と次々と疑問が出て来て読むのをやめさせてくれません!(笑)更新、頑張って下さい! (2016年10月30日 1時) (レス) id: cab08090a2 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシノ(プロフ) - いろんな人物が交わってて、こういう設定のお話大好物です!!続きが気になります!廉くんの新作も楽しみにしてます☆更新頑張ってください! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 66e54ac751 (このIDを非表示/違反報告)
桃佳(プロフ) - 最高に面白いです!!!続きも全力で楽しみにしてます(*^^*)!!! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 179cb3b106 (このIDを非表示/違反報告)
ピョン(プロフ) - とても面白いですよ!この話大好きです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2016年10月23日 22時) (レス) id: 92c3e03367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はう
作成日時:2016年10月14日 20時